モラトリアムを脱して、青年は何処へ向かうのか

 「長く甘いモラトリアムを脱する」意味で、非常にエモーショナルな心情を綴っている本作である。
 未だ肩まで浸かっているモラトリアムから脱しようとする語り手の内情、そして決して描かれないユウさんの心情。

 手は繋いでいる。でも心は……
 どうなんだ。
 これは、どうなんだ。
 審議。

 最後の描写が救いなのかどうかを私には判じかねている。どうなんだ。ユウさんと手は繋いでいて、語り手は「表情を緩めて」おり、答えは聞かずとも指で理解できた。
 成就……?
 私は完全にユウさん側に立ってものを見てしまっている。ここ(レビュー欄)に当てずっぽうな解釈を書くよりかは、疑問を疑問として投げ出しておく方がよかろう。

 成就なんですか、これは。