満たされない

白川津 中々

腹が減る抱きたくなる睡たい。

渇望。欲望を満たそうにも底に穴が空いた桶みたいに流れ出て、貪っても貪っても渇き飢え苦しむ。食わなければ抱かなければ眠らなければと、終始終生囚われ、嘆き、悲しみに暮れる。命のしがらみから抜け出せず、満たされるはずのない欲望を求めて、生きるままに悩み死んでいくのだ。我欲と執着を着飾り衆生の身のまま浮世に流され坊主の飯の種となるのだ。俺もお前も、満たされない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

満たされない 白川津 中々 @taka1212384

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ