椅子の可能性を開拓する、アヴァンギャルドすぎる特殊性癖の世界へようこそ

 いったい何をどうしたら、こんなニッチな性癖の話を思い付くのか。
 そもそも椅子の描写がエロいし、その後の『人間椅子』の知覚する感覚も非常に生々しくて素晴らしい。
 そしてオチにはホッとするやら、いや実際そうは言ってもやっぱり本当のことかもしれないぞという疑念も残り、何とももぞもぞした読後感。それほどまでにリアルな肉感のある筆致でした。