概要
つまるところ完全に手詰まりだ。ユウレイにはどうしたって夜が長すぎる。
気がついたら足が宙に浮いていた。自分のことは何一つ思い出せない。けれど不思議と不安は無かった。むしろユウレイだからこそ出来ることにワクワクしていたのに。眠れないユウレイにとって、夜はどうしたって長すぎる。
そんな時、穏やかで退屈な時間を終わらせるような激しい音が聞こえた。目を向けた先に見たのは、マンションのベランダから飛び降りようとしている一人の男。反射的にその男を助けると、男はこちらを凝視してあり得ないものを見てしまったかのような表情を浮かべる。そう、まさにユウレイでも見てしまったかのような――。
「…………もしかして、見えてるのかな?」
こくこくと首を縦に振った男に、退屈な夜が終わる予感がした。
*『カクヨムWeb小説短編賞2022』参加作品
そんな時、穏やかで退屈な時間を終わらせるような激しい音が聞こえた。目を向けた先に見たのは、マンションのベランダから飛び降りようとしている一人の男。反射的にその男を助けると、男はこちらを凝視してあり得ないものを見てしまったかのような表情を浮かべる。そう、まさにユウレイでも見てしまったかのような――。
「…………もしかして、見えてるのかな?」
こくこくと首を縦に振った男に、退屈な夜が終わる予感がした。
*『カクヨムWeb小説短編賞2022』参加作品
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