海のように大きな愛を感じました

題名の「アイトハ」
あえてカタカナにされたことで、逆に〝愛とはなにか〟考えてしまいました。

愛するひとが重い病気になり、死への恐怖と戦い、あらがう日々。

「しわくちゃのおじいさんになるまで、ちゃんと生きるんだよ」という祐月の言葉を守るためだけに生きているような冬哉。
十年後、そんな冬哉に届いた祐月からの手紙に泣かされます。

海を見ているシーンが、その時々の冬哉の気持ちを表しているように感じました。
祐月と見た静かで穏やかな海。ひとりで見る黒くて重い海。
そしてラストシーン。
アイトハなにかを知った冬哉は、きっと穏やかな笑みを浮かべて海を見ていたのではないでしょうか。

皆様もこの小説を読んで、「愛とはなにか」考えてみませんか?

その他のおすすめレビュー

陽咲乃さんの他のおすすめレビュー597