後篇

 ユサは谷にいた。幾重にも山を重ねた奥地。獣しか通らぬ暗い山間。もとは隠れ里があったが、すでに人は絶え果てて、人間のいた痕跡は残らず雑木に覆いつくされていた。

 片柱だけが残った鳥居の残骸だけが、かつて此処に隠れ里があった名残りだった。

 わずかに切り株のような柱の根元だけを叢においている腐り落ちた鳥居。歳月に打たれた鳥居の残骸は白茶けて、裂け目が入り、草に埋もれた枯木にしか見えなかった。

 昨夜からユサはその鳥居の址の、柱の上に立っていた。

 鴉が啼く。一羽が啼き始めると全ての鴉が啼いた。耳を聾するような鳥類のつんざき声が紅葉の山河に怖ろしくこだまする。黒い翼を広げた鴉は威嚇するように時折嘴を開き、があと枯れた声を一斉に立てるのだ。折り重なった四方の山に響いていくそれを聴く者は誰もいない。谷間にいるユサだけが鴉の声を浴びていた。

 昨日の夕刻、大鴉たちに押し包まれるようにして宙に舞い上がり、ユサは鴉たちに此処まで運ばれてきた。水蒸気を含んだ雲の中を通ったことで湿った全身に昨夜の山の冷気が追い打ちをかけた。

 どうせならばネオに乗せてくれればよいものを。

 制服のタイをユサは襟から外して手に持っていた。運ばれている途中、上空の強い気流に飛ばされかけたからだ。そのタイをユサは首に巻き付けた。昨夜もそうした。歯の根が合わぬほど冷え込む山の寒気に晒されながらユサは一晩中、鳥居の上に立っていた。絹製のリボンタイは薄くて軽いが、襟巻の代わりにはなった。

 ユサの手足には鴉の鋭い嘴につつき回された傷があった。手足や顔にユサは傷を負っていた。地上に落とされた直後のものだ。しかし今はユサの周囲に鴉はいない。

 ユサは逃げ込んだ鳥居の残骸の上に立っていた。ここだけはまだ神域だ。

 鳥居の向こうには祠もあったのだろう。それはとうの昔に風雪に崩れ落ちて瓦礫と変わり、雑木林に埋もれてかつての場所も分からない。

 山は平地よりも気温が格段に低かった。秋ともなればこの時期から雪がちらつく。息をするたびに肺胞まで凍り付いて砕けるかと想われた夜のあいだ、ユサは一睡もしなかった。ユサは夜空を見ていた。都会では見られないたくさんの星座がそこにあった。清浄な星の光はユサの上をゆっくりと流れていった。凍結した手足が胴体からもげて落ちた。そう想ったが、朝日の中で身体を見るとまだついていた。

 また夜が来る。

 叢に散らばっているものは初雪ではなかった。薄汚れて茶色く変わった人間の骨だった。

 鴉天狗の使い魔の鴉など、修行を積んだ山伏の敵ではない。ここに運ばれて鴉たちに殺されたのは見習いの山伏や、神職、遊嵯嵯家の者たちだろう。鴉を追い払うことも考えたが、山々を埋め尽くしている鴉の数をみて諦めた。

 わたしが山伏であれば。

 昨夜からずっと立っていた。時折少女はふらついた。意識が何度か遠のいた。わずかばかり谷間に陽が射した昼間に立ったまま眠ろうとしたのだが、その途端に鴉が啼いた。眠らせないつもりなのだ。周囲を埋め尽くしているものは全て鴉だった。地にも木の梢にも、橙色をたわわに実らせた柿の木にも、巨大な黒い鴉が黒々と群れていた。鮮やかな紅葉を黒く塗りつぶして鴉たちは嘴の方向をユサに向け、その時を待っていた。ユサを連れてきた鴉たちは知っていた。待っていれば人間は必ず力尽き、膝をついて、抗う力を失くすのだ。

 鳥居の残骸だけがユサを護っていた。鴉はそれ以上は近寄っては来なかった。昨夜の夜はなんとか耐えた。しかし今晩はもう越えることはできないだろう。

 鴉の群れは円陣を組むようにしてユサを取り囲み、腹が空けば蛇やねずみの死骸を引き千切って食べていた。ユサが倒れることがあれば、すぐに鴉たちはその鋭い嘴で獲物を引き裂くつもりなのだ。眼玉。眼玉。眼玉。黒曜石の河原にいるようだった。鴉たちの眼を見廻して、ユサは呼吸を整えた。遠話はひどく消耗する。これが最後の一回だ。


 同士。聴こえるか。


 鶴瓶落としに日は暮れて、樹々の隙間から差し込む残照がユサの眸を琥珀のように、白い頬を月のように輝かせた。鴉が一斉に啼いた。山際を照らしていた太陽が落ちた。隠れ里の跡は水底に落ちるようにして青く沈んでいった。ユサは狭隘にのぞく空を仰いだ。そこはまだ明るかった。空にある雲は黄金色を帯びて紅かった。雲が薄紅色に燃えている。はばたく鳳凰と見まがう発光。太陽が扇状の筋を広げる光柱から何かが降りた。突然、鴉が騒いだ。ユサの頭上に黒い鴉が舞い上がった。襲い掛かる鳥類の鉤爪をユサは手を挙げて追い払った。血の気がすうと引いた。鳥居の上に踏みとどまろうとしたが出来なかった。よろめいて足許を失うと、ユサの身体は鳥居から離れて倒れていった。

 後ろ向きに倒れたユサを草地に落ちる前に受け止める者がいた。

 ユサは薄目をあけた。波太が片腕でユサを支えていた。

「大丈夫か」

「波太」

「なんで君を助ける羽目になっているのかまだ腑に落ちないけど、まじで来て良かった。危ないところだった」

 波太はユサの顔を覗き込んだ。手足や頬から血が出ているが深手ではない。

「怪我はたいしたことないぞ。間に合って良かった。立てるかユサ。お姫さまだっこは勘弁。腕の火傷がまだ痛い」

「同士もいるのか」

「おっさんも一緒だ」

「わたしが最も尊敬する男だ」

「きいてないから、そんなことは」

 波太が腕を隠す前に、ユサは火傷のある波太の腕を服の上から掴んでいた。ユサは手を放した。

「包帯を取れ。治ってる」

「そんなに簡単に治せるなら早くやってくれよ」

「疲れた」

 ユサは波太の腕の中で眼を閉じた。波太は倫範の後ろ姿に呼び掛けた。

「山伏、ユサは無事だ」

 倫範の腕の一振りで黒い大地が吹き飛んでいた。山を埋め尽くしていた鴉たちは上空に撥ね飛ばされて黒ごまのように山地の宵空を逃げ惑っていた。

「すごいな。山伏というよりは、オビ=ワン・ケノービみたい」

 口を開けて波太は見惚れた。

「やってみたい」

「お前には無理だ」

 眼を閉じたままユサは云った。確かにユサからきいたあの凄まじい修行が生半可な覚悟で出来るとは想えない。納得して波太は口を噤んだ。



 帰宅すると深夜を過ぎていた。大政奉還の年号を押して、階段で三階までのぼり、鍵を開けて室に入った。長い一日だった。休日には決まって渋滞が発生する上り方面の高速道路も三連休の初日なのが幸いして混んでおらず、これでも早めに帰れたほうだった。明日も休日だ。大学もバイトもないのでゆっくり休める。

 ユサを病院に連れて行かなくてもいいのかと訊いたが愚問だったらしく山伏はそれには応えなかった。波太が家の近くで車を降りると、運転席に戻った倫範はユサを乗せたまま何処かへジープを走らせて去った。ユサを家に送り届けるのだろう。後部座席で寝ていたユサは、波太が車を降りる時には眼を開けていた。ユサは「もう逢うことはない」と波太に云った。

 枯れ葉の破片が服についたままになっていた。上着を脱いで洗濯機に入れた。腕にあった火傷はきれいに消えていた。シャワーで済ませることが多いが深夜は冷えるし疲れもとりたい。波太はバスに湯をはった。

 鴉を探せ。

 山伏の言葉で波太は天狗に戻っていた。波太の天狗の眼が鴉の群れを見つけた。波太の額に手をおいた山伏は波太を通してユサの居所を突きとめると山を越えて空中を駈けた。沈む夕陽が正面から波太の顔を照らし、山脈の連なりが腹の下で巻き取られるように流れ過ぎ、赤銅色が広がる神々しい光雲を瞬く間にすり抜けたかと想うと、暗い谷合が見えてきた。波太を連れた山伏は燃える夕映えの空からユサのいる谷間に降下していった。

 『波平、今日は文化祭に来てくれてありがとう。』

 風呂に湯をためている間にメールを確認すると、日奈子からメッセージが届いていた。送信時刻は夕方だ。

『絶対に退屈するだろうなと分かっていたけど、友だちに波平を見てもらいたかったし、学校の中を波平と歩いているのは楽しかったです。』

『腕の火傷には馬油かアロエを塗ったらいいってお母さんが。ひどいようなら病院に行ってね。今日はありがとう。』

 お疲れさま楽しかったよ、と波太は返した。日奈子が歓びそうな新着の有料スタンプもプレゼントしておいた。既読になるのは明日の朝だ。過去履歴を辿ったところ日奈子とのやりとりはずっとこんな感じだった。京都の同級生や大学の女たちとも波太は全てこの調子のほのぼのラリーを重ねており、女たちは「波太くんきいてー」と悩み事や恋愛相談を持ち掛けては喋るだけ喋ってけろりとして「元気出たわ、波太ありがとう」と、波太を聴き役に使っていた。

 波太としては、確かに日奈子と付き合っていたつもりはなかったのだ。

 ユサは最後に波太に告げた。

 お前は人間になる。天狗であった記憶は消え去り、今ある力も失われる。お前は波太として生きることになるだろう。

「ぼくが天狗のままだったら、殺されていたのかな」

「そうだ。神矢木家は高次の修験者を出した家。そのことを我々は重視する。同じ血統を持つ者が天狗に喰われると、姿はたとえ人間と変わっても中身は天狗のままになることがあるのだ。その可能性を懼れた。天狗退治が二人一組なのは、片方が天狗に喰われた時には残る一人がその者を殺す責を負うからだ。わたしが鴉ではなく天狗に襲われていたのなら、同士は今日わたしをあの山奥で殺していただろう」

「ぼくはもう『ぼく』ではなくなるのか」

「神矢木波太になっている」

 ユサに代わって運転席から倫範が応えた。天狗が人間になるのとは逆に、人間から山伏になった男は云った。

「お前は人間として生きて死ぬ」

 湯をとめて風呂に入ろうとしていると端末が鳴った。既読になっていた。深夜なのに日奈子はまだ起きていた。

『おやすみ波平』

 日奈子がスタンプを送信していた。波平のイラストだった。『サザエさん』の波平は笑顔で緑茶を手にしている。

 波太からもおやすみと一行送り返して、端末を閉じた。

 波太を喰ったつもりで波太になっているのか、喰われた波太が『ぼく』なのか、つまりぼくが波太になったのか、それとも波太がぼくになったのか。

 山伏が云うことを信じるならば、そのうち天狗であったことも忘れ、力も失くし、ぼくは波太になってしまうのだろう。

 まあいい。

 確かなことは人間の波太がもっていた何かが『ぼく』に受け継がれているということだ。それが何かは分からないが。

 風呂からあがると洗濯物を外に干しっぱなしだったことを想い出した。波太はベランダに出た。夜風が冷たい。これよりも冷え込む氷室のような山の中でユサは鴉と対峙しながら一昼夜を耐えていたのだ。意志が強いだけでなく、やはり特別な少女なのだろうユサは。

 ぼくは何故、彼女を助けたのか。ユサや日奈子が無事でよかった。そのことにぼくは確かに安堵している。ユサや日奈子に危険が迫るなら、やはりぼくは今日と同じことをするだろう。京都の両親や大学の友人たち、あるいは山伏であっても同じだ。それが波太がもっていた人間の何かなのだろうか。

 この世界が外敵に侵食されていくことを身を挺して阻もうとする者たちがいる。昔からずっと。防人となった彼らも、同じ何かに動かされたからなのか。

 見届け役を終えた倫範は明日にでも霊山に帰るそうだ。誰に頼まれたわけでもないのに五体をなげうち修羅の道を選ぶとはまったくご苦労さまなことだ。大雨が降ることで知られた熊野霊山。そこでは今も山伏たちが祈祷をささげ諸霊に額づき、法螺を吹いて国を護っている。降れ。雨よ。


 降れ、降れ、祓いの雨よ 

 ふれ、ふれ、鮮血の日の丸よ

 雲海に旭日を呼びこめ、かがやける

 富士と菊と桜のこの國やまと

  

 ネオをかき消す白光が眩しかった。波太は欠伸をしてベランダの窓を閉めた。白銀の満月が都会の空に昇っていた。 



 秋の澄んだ青空が広がっていた。宿泊先の庵から倫範は東京駅に着いた。東海道線の改札口前に制服姿の少女が立っていた。セーラー服に藍鉄色のタイ。上京した数日前と同じだった。

 歓楽街に向かう前に倫範は指定された神宮に行ったがそこには誰もいなかった。夕方の神宮に居たのは学校帰りと思しき学生鞄を持った女子中学生だけだった。

「山伏か」

 現われた倫範を見て少女は鳥居から歩いてきた。

「ユサだ」

 改札に向かう倫範の往く手を塞ぎ、手にしていた何かをユサは倫範に突き出した。一冊の本だった。倫範は受け取った本の題名を視界に入れた。ハンス・ブルーメンベルグ『神話の変奏』。

「あなたの本」

 ユサは云った。鴉につけられた傷がまだ残るユサの顔を倫範は見下ろした。身体つきや顔の輪郭。

「あなたの子じゃないわ。計算してみなさい。合わないから」

 云われなくても倫範には分かっていた。別れた時に彼女の腹に子がいたのなら、その子はもう成人になっている。あれから彼女は関東に戻って結婚し、娘を生んだのだ。この少女を。

「千の弦と書くの。千弦ちづる。わたしの名は遊嵯嵯千弦」

 千弦。彼女の名は千景ちかげだった。

 駅の雑踏の中にいる昼間の世界の千弦はふつうの少女と変わらない。

「古風な名だけど気に入ってる。とにかく本は返したから。ママがずっと手許に置いていたけど、ママはもういないから」

「……千景に何かあったのか」

 千景がユサ家に嫁いだのは奇縁としかいいようがなかった。関東から京都の大学に来ていた千景は下賀茂神社のただすの森の近くに一室を借りていた。

 倫範、手を繋いで。

 鴨川の遊歩道を歩くのが千景は好きだった。既に前世のことのようだ。

「ママは三年前に死んだの。倫範とものりさん」

 倫範は本を片手に千弦の顔を眺めた。


 遊嵯嵯ゆささ家に異能者が顕れるのはまったくの偶発だった。中世までは血を保全するために近親者で交配を繰り返していたが、作為はすべて徒労に終わった。家系に連なる者のほとんどはなんの超常も発露することなく浮世に埋没して暮らす。千景はそのうちの一人に嫁いだのだ。

「必要な時にその力を持つものは生まれてくるそうよ。でもわたしを生んだことでママの寿命は短くなってしまった。異能者を生んだ女は短命で死ぬの」

「違う」

 倫範は否定したが、千弦は全てを受け入れていた。

「病院で何か食べたいものがないかママに訊いた。云ってみてママ。わたしが買ってくるから。ママはこう云った」

 学生時代の恋人がわたしに握ってくれたおむすび。

──とても美味しかった。あんなに美味しいおむすびはあれから食べたことがない。塩加減なのか握り方なのか。毎朝起きるのが楽しみだったわ。

「ママはもう固形食をほとんど口に出来なくなっていた。わたしが握ったおむすびを持っていくと、米粒を少しだけ口の中で舐めてくれた。死期が迫ったママの話に出てくるのは、京都とあなたのこと」

 からだの大きな倫範が早朝から土鍋でご飯を炊いておむすびを握っているの。その背中がいじらしくて、ママはベッドの中からこっそり見ていたわ。自分の分は茶碗に盛るだけで、おむすびは後から起きるママの為。きれいな三角で海苔がきちんと巻いてあって、京野菜を沢山入れたお味噌汁もお盆にあった。あの頃の京都にはまだ喇叭を吹いて豆腐を売りに来る人がいて、彼は笊を持って買いに行く。その豆腐で、彼は生姜を添えた湯豆腐を作ってくれた。かなりの変人だったから将来性はないと想っていたけれど、いわおみたいな顔がママの好みだったの。抱きついても無言、甘えても無言。それから先のことは秘密。ママの想い出の中に仕舞っておくわ。

「誤解しないで」

 千弦は付け加えた。

「パパとママはとても仲が良くて、パパが病院に見舞いに来るとママは長い時間二人きりで楽しそうに話してた。名を呼ぶパパに手を握られてママは静かに逝ったから」

 そうだろう。それでいい。

「わたしがユサとして生まれたことでママも色んなことを知った。ママは、あなたのことを護国の御盾になったと云っていた。大八州オオヤシマクニを護るために厳しい修行を積んで山伏になることを自ら選んだ人なのだと。シュレックみたいな奴を想像していたけれど、現物のあなたは『エヴァンズの騎士』みたい。ハリー・ポッターに出てくる魔法使い。エヴァンズの騎士は、闇落ちしながらも好きだった女の子のために勇敢な騎士として生きたのよ」

 その児童書は課題図書として中学の時に原書で読んでいた。

 日没までに熊野に戻るのならば次の新幹線に乗らなければならない。倫範は改札を通り抜けた。千弦は大丈夫だ。千景の子だ。朝が弱くて手足の先がいつも雪のように冷えていた千景よりもずっと元気だ、あんなにも。

「見送りも同士の役目だから」

 千弦はホームまで附いてきた。

 エヴァンズの騎士よりも山伏の方がかっこいい。突然倫範に抱きつくと、千弦は倫範の胸に囁いた。もう一冊ママはあなたの遺した本を大切に持っていた。からだを温める食材の本。わたしがもらったわ。

 新幹線のドアが閉まった。あの児童書の騎士は死ぬ前にこう呟くのだ。

 Look at me

「次に逢う時は、山伏の恰好で来て」

 ホームから千弦は倫範に敬礼を寄こした。



[了]

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焼けた空から降り来たるⅡ 朝吹 @asabuki

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