残光

 何ともぞっとする物語だった。

 なまじ脚光を浴びたが故の圧力は当人にしかわからない。自分の才能が枯渇したと認めたら人生の破滅(少なくとも当人はそう考えている)に繋がる以上、正直に廃業することもできない。

 逆に、主人公の徹底的な自分勝手さや愚かしさは当人以外の万人にわかる。文才以前に、その歪んだ自意識を直す機会がなかったのが真の不幸ということか。

 必読本作。