解説
スイス中央部にあるピラトゥス山は禁足地、つまり中世において魔界とされた土地でした。あのイエスに処刑を命じたローマの将ポンティウス・ピラトゥスの魂がぶつかった山だとされています。ゆえにピラトゥスの魂によって呪われている地とされたのです。
この禁足地に竜が住まうとされていました。
しかし全部の竜が人間に敵対してるかというとそんなことはなく遭難者をかくまって越冬させ春になったら竜がふもとの山まで遭難者を連れて行ったとされます。遭難者は巣である洞窟で月のミルクなる石からミルクが出る石を子供ドラゴンと一緒になめて飢えをしのいだとされます。
この伝説が元となったのが吹奏楽の『ピラトゥス ―ドラゴンの山』(スティーヴン・ライニキー作曲:マット・コナウェイ編)です。
世界一急勾配の登山鉄道ピラトゥス鉄道の象徴はゆえに「竜」になっております。
もちろん伝承のすべてをなぞってるわけではなく創作童話としました。
竜が遭難者を連れて行った先はクリエンスではないでしょうか?なぜならピラトゥス山頂から見えるクリエンスの街並みが絶景だからです。たぶん竜たちは山から人間を見守っていたに違いありません。ただ、確証はないので本作では「クリエンス」の名前は今回出さないことにしたのです。なおロープウエイでも行くことが出来、その場合はエアリアル・ロープウエイで山頂を目指します。まるで宙に浮いてるかのような光景のため「エアリアル」という名前が付けられたのだと思われます。
ここからは推測ですが単にロープウエイの名前を「エアロ」という名にしなかったのはピラトゥス山は亡霊も多数いる場所と恐れられていたからではないでしょうか。ゆえにイタリア語のエアリアルという語を使用したのだと思われます。スイスはイタリア語圏も含まれるという理由もありますが嵐を起こす風の精霊も居るという意味でも使われたと思われます。そうです、イタリア語のエアリアルには「風の精霊」という意味も含まれるのです。『テンペスト』ではエアリアルは魔術師プロスペローの使い魔として活躍する精霊として有名です。
ピラトゥス山の月のミルクの正体は鍾乳石ではないかと筆者はにらんでいますし実際に「ムーンミルク」という言葉は白い鍾乳石の事を指します。
以上の情報をもとに創作童話が完成しました。
ピラトゥス山の竜 らんた @lantan2024
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます