バカが、全力でバレンタインのチョコを貰おうとした結果。

主人公の大学生・三木くんいわく、彼にはアホな友人が二人います。一人は名塩。一人は加西。
しかし、二人のバカな言動や行動に突っ込まずにいられない彼もまた、一人のバカなのです。
これはそんな、三バカの、三バカによる、三バカのための、笑いあり・友情あり・涙あり?なバレンタインの物語。

仮にもレビューなのに、「アホ」とか「バカ」とか書いていいのだろうかと思いつつ、
読んでいただければ分かりますが、本当に面白いです!
コメディって書くのが難しいと思うのですが、二人の会話とそれに対する三木のツッコミのテンポが面白くて。
現実の固有名詞をもじった名称がいくつか出てくるのですが、それも笑えます。特に、どきエモが頭から離れません。

シリーズものですが、この短編からでも十分に楽しめると思います。2万字という文量も気にならず、読んでいるとチョコのように時間が溶けていきます。
バレンタインって甘い恋のお話が定番かもしれませんが、こういうバカなバレンタイン小説が2つくらいあってもいいと思うのです。

2つ?と思ったあなた。
この三バカがバレンタインにバカをやるのは、今回が初めてではありません。この『バレンタイン・レクイエム』の読了後、よろしければそちらもコレクションから読んでみて下さい。

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