最後に

あとがき

 寒い季節です。私の住んでいる地域は雪が積もっています。この作品は十一月にプロットを書き始め、一月初めに完成させました。

 年末年始に丁度流行りの病に同居人が感染し、私は濃厚接触者で自宅待機になり、仕事を休んでいる期間中に仕上げました。

 

 この年末年始は年越し蕎麦もおせち料理もなく、備蓄食の缶詰で生活しました。


 それより苦い思い出は自宅にあった煙草の残数が三本だった事です。自宅待機期間終了まで一日一本で過ごしても足りない。私は自宅に煙草の予備がない事を呪いました。その後から煙草はカートンで購入し自宅に予備を置こうと決意しました。


 物語は当初の設定とは大幅に変わりました。

 当初、主人公である高倉有隆が焼身自殺のふりをし、整形手術を受け笠木に会いに行く場面で終わる予定でした。よく考えると私の好きな海外の映画のラストに少し似ています。色々と考えた結果、設定を大幅に変更しました。

 

 煙草の吸い方には拘りがあり、有理の吸い方を当初有隆の吸い方に設定をしていました。親指と人差し指で煙草を吸う。この吸い方は煙草が短くなっても吸える。これは私の吸い方です。

 当初のラストはこうです。

 有隆と別れ有隆が死んだと思っている笠木は、とある地方のコンビニで深夜アルバイトをしていた。するとある客がやって来る。その客は有隆のよく吸っていた煙草の銘柄と同じ銘柄を頼む。それは珍しい銘柄で、笠木は思わず客の顔を見る。


 だがその客は有隆の顔ではなかった。その客は笠木に話しかける。

「もう寒いですね、俺の住んでいた地域はもう雪が降っているんですよ」声は酒焼けのダミ声のようだ。笠木は「そうなんですね」と世間話をする。


 客はそのままコンビニの外の灰皿の前で煙草を吸い始める。笠木はレジ内を移動し客を見ると、その客は有隆によく似た煙草の吸い方をしており、笠木とふと目が合う。客は口元には笑みをたたえたが、その目は笑っていなかった。


 このようなラストを考えていました。

 有理は物語の冒頭で有隆に殺され、実家の庭に埋まっています。実家の全焼後、発見された死体のDNAは有隆の物と思われます。有隆は死んだと見せかけて生きており、笠木に執着し会いに行く。


 この物語は何かに執着する人間の生き様を書きました。


 主人公の名前の「有隆」、私のペンネームも「有隆」です。私のペンネームを主人公と同じにしたことは単純です。物語を読む上で主人公の名前がすんなり読み手に入ると嬉しいと考えたからです。


 また、ペンネームは同居人の名前から一部貸していただきました。私の名前と同居人の名前の合体です。ここで改め、ペンネームに一部名前を貸してくれ、作品のアドバイスをくれた同居人に感謝をします。また、作品を最後まで読んでくださった皆さまに感謝をしています。ありがとうございます。


 この作品は私が生まれて初めて最後まで書いた作品です。小説は十七歳の頃から書いていたのですが、最後まで書き終えたのはこの作品が初めてです。処女作品になります。昔はパソコンがなかったのでワープロで小説を書きフロッピーデスクに保存していました。懐かしいです。

 この物語は過激な描写が多いのですが、どうか読者様に悪影響のない事を祈ります。


 「二重感嘆符」これは主にびっくりマークとして使用されており、イラストも逆さにするとびっくりマークになるようにしているのですが、主にプログラミング言語では否定形を意味します。否定、否定、否定。二重の重なり、二重の意味。犯行現場の描写は二人で行っている事が分かるように、改行で分けました。


 私はこの作品を出来たらシリーズ化したいと考えています。作品の構想を練り、プロットを作り、文章を書き始めた時の楽しさは何よりも代えがたいです。


 もしこの作品を気に入ってくだった方がおりましたら、いいねをつけていただいたり、レビューをいただけると嬉しいです。今後もよろしくお願いいたします。


 ※続編「乱数のシード」をカクヨムにアップしました。こちらも宜しければ読んでいただいて感想をいただけますと嬉しいです。よろしくお願いいたします。


吉岡有隆

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二重感嘆符(にじゅうかんたんふ) 吉岡有隆 @yutaka0225_

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