未熟で純粋な少女たちの破滅に幸あれ。

 『死ねばいい』のタイトル通り、破滅的な青春の逃避行。
 ふたりの少女のもつアンバランスな心情が、死体埋めを通して精緻に描かれていました。現実にすり減らされ切っていない、どこか無垢な希望を持ち続ける少女たちの、一見して絶望的な道行き。
 物語は薄暗くとも、彼女たちの心はどこか解放されたような、そんな読了感でした。窮屈な制服から解き放たれて、とはよく聞く台詞ですが、彼女たちは社会からドロップアウトすることで手に入れられたのなら、それもまた救いだなと感じます。
 簡単に恋愛を動機に持ってこさせない所も好みの展開でした。
 愛や恋でない、歪な絆の在り方も素敵です。
 未熟で純粋な少女たちの破滅に幸あれ。いつか、必ず終わるとしても。
 すげー好みの作品でした、面白かったです。