日本運河計画

岸亜里沙

日本運河計画

第二次世界大戦が始まる前に、山本やまもと五十六いそろく立案による極秘計画があったのをご存知ですか?

それは太平洋と日本海を結ぶ日本運河の建設計画でした。

淀川から琵琶湖を経由し、今の福井県敦賀市へと抜けるルートで計画をしていたそうです。

船舶の往来はもちろん、空母や軍艦などの航行も可能になれば、日本の国力上昇に繋がると。

琵琶湖には沖島おきしまという小島が存在する事から、そこを中継基地として利用する事も検討されており、かなり具体的な計画だった事が窺えます。


ですが、皆様ご承知の通り、その計画は頓挫し、現在そのような運河は建設されていません。

日本をまっ二つにするという事は、自然を破壊し八百万やおよろずの神の祟りに触れ、日本の繁栄を止めかねないと、当時の天皇陛下が仰ったそうで運河計画は中止となりました。


しかし、もしその運河が建設されていたら、今の日本はどうなっていたでしょう?

もしかしたら第二次世界大戦後、その運河を境に、アメリカとロシアによる統治が行われたかもしれません。

そうなれば日本は、ベルリンの壁によって隔てられた西ドイツ、東ドイツのような事になっていたでしょう。

もしくは、今の韓国と北朝鮮のように、日本人同士が運河を隔て、牽制し合うような事態にもなりえたのです。


利便性の追求よりも、本来のありのままを維持する事こそが、現代の我々にも必要なのではないでしょうか?

この日本運河計画が、その事を問いかけているようでなりません。




【この話はフィクションです。実在の登場人物、団体とは一切関係がございません。】


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

日本運河計画 岸亜里沙 @kishiarisa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ