第一ノ六 伝えずとも伝わっているもの
「いっつもこんなに素直だと、嬉しいんだけどなー」
「あーあ、離れちまった」
「い、色々あって混乱していただけだからっ」
「そういうことにしといてやるか。——なぁ、咲」
空には、あちらの咲が、
「何? お
「こんな世界になったから言うわけじゃねぇけど。言わなくても伝わっていたと思うけど」
「うん……」
「ずっと、好きだぜ」
その視線は、小さな従兄妹を思う、
そんな視線を向けられた咲は、
「——うん。わかっていた。……私も、ずっとお従兄ちゃんが好き」
すぐ拗ねてしまう従兄妹ではなく、一人の男性を想う、恥ずかしげだけど、しっかりと相手を見据える、そんな視線を送った。
「さーてと! 咲のラブも注入できたし! 武器も手に入ったし! さっさと化け物花を倒しに行くかー!」
「咲」
左手を咲に差し出した。
「——うん」
咲は右手で
「んじゃ、行きますか」
二人は手を繋いだまま走り出した。
「早くイチャイチャしてぇんだから! 邪魔すんじゃねー!」
「……イチャイチャしたいの?」
咲は左側の
「したいさー! もうおっさんだぜー? 体もアソコも元気な内に、色々してぇの! 俺は!」
「——お従兄ちゃんのエッチ」
世界線一 終
— — — —
あとがき。
次は、咲が願ったみんなが優しい世界線です。
……みんなが? 親戚の奴らも? 書けるの?
【本編完結】咲き終わった世界で。 冥沈導 @michishirube
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