星のように

木瓜

星のように

小さく切り取った

波音と月明かりの中に

精一杯僕らを詰め込んだ

それが二人の世界だった

潮が熱を流す

それでも消える事はなくて

重ねた手を離せないのは

きっと、君も同じなんだろ


海向こうに広がる街

あそこへは行けないものだと思ってた


流れ落ちる 星が一つ

君の涙に溶けていって

星屑となって 散っていった

「明日、笑えるかな」

そう言って微笑む君に

僕はなんて酷い顔だ

ああ なんて言えば良かったんだろう



詰め込み過ぎた

僕らの小さな世界には

心が入る隙間もなくって

「私だって」

「僕だって」

潮が熱を流す

それでも消える事はなかった

なかったのに



海向こうに広がる街

なんて事ない距離だということを

僕らはもう、知っている


流れ落ちる 星が一つ

君の涙に溶けていって

星屑となって 散っていった

「明日、笑えるかな」

そう言って微笑む君に

僕はなんて酷い顔だ

ああ なんて言えば良かったんだろう



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

星のように 木瓜 @moka5296

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ