誰もが見惚れてしまうほど、美しいティリオン。彼は幼少期に受けた虐待と事件のため、深刻な後遺症を持っていました。そんなティリオンを、近臣たちは深く愛し、気遣い、大切にしていました。
しかし、美しいティリオンを誘拐しようと、犯罪者たちが動き出します。近臣たちはティリオンを守り切れるのでしょうか。
こちらは『ギリシャ物語』の前日譚にあたりますが、どちらからでも楽しんでいただけると思います。
私は本編から先に読ませていただきましたが、ラストを知っていても、今回明らかになる真実や、ラストに至る経緯を、ハラハラドキドキ楽しませていただきました。
近臣たちはみんな個性豊かで、ティリオンとのやり取りが微笑ましいです。特に、ティリオンと彼の第一の近臣・フレイウスとの関係は、ロマンティックで、二人の絆がとても強いものだと感じました。
そんな彼らに、一体何が起るのか……。
是非、本編と外伝をあわせて楽しんでくださいませ!
ちなみに、近臣たちだけでなく、敵として登場するキャラクター達も魅力的です。ネタバレになるので名前などを伏せますが、一番の切れ者の活躍には、思わず声援を送ってしまいました。
あの名作「ギリシャ物語」の外伝。本伝より先に読んでも楽しめます。穏やかなタイトルとは裏腹に、波乱万丈、不運の女神に魅入られたとしか思えない、父と息子、ふたりの男性の苦悩と葛藤が綴られます。
重く悲しい物語のあちこちに、「ウチのクセモノ!」シリーズで炸裂した作者様の卓越したユーモアが散りばめられ、笑いもたっぷり堪能できます。また、キャラクターひとりひとりがしっかり作りこまれて、描かれています。当レビュー筆者は、登場する悪役たちに興味津々。悪役にするには惜しいほど、ひとりひとりのキャラが立っていて、できることなら外伝のさらに外伝に登場してほしいくらい(期待)。
重厚なのに、クリームがふわっと軽く、フルーツも効いて、おかわりが欲しくなっちゃうケーキのよう。飲み物を添えて、極上の読書タイムを召し上がれ。
本編の『ギリシャ物語』がものすごく面白かったため、こちらも拝読させて頂きました。
本編から来たということはラストを分かっていて読み始めたわけですが、まだ明かされていない内側のからくりが見事に編み込まれていて、オチを知っているのに先がどうなるのかわからないスリルがありました。むしろオチを知っているので、そこにどうやって到達するんだろうという疑問と緊張感が、初めから終わりまで見事に続きました。
しかも恐ろしいのは、全ての要素が、辛いほどにドラマティックなのです。キャラクターたちは様々な個性を持ちつつも、根底に善良さを持っている人達が殆どです。その人々が、積み重なる運命の悪戯や如何ともし難い当時の社会ルールのために、悲惨な運命になだれ込んでいく様は、見ていて内臓がよじれました(T_T)
次々に連鎖する悲劇も偶然も、実に繊細かつ自然に、そして劇的に物語に織り込まれています。作者様のアイデア、構成力、あらゆる点における手腕に感服するしかありません。
レビューが下手で大変恐縮ですが、要はとても面白いということをお伝えしたいのです。そして色とりどりの登場人物の中には、きっとあなたのお気に入りが見つかるだろうと思います。
(私はニコラオス氏とバシルさんが特にお気に入りです)
拙文失礼いたしました。素敵な物語をありがとうございました!!m(_ _)m
この「ギリシャ物語 外伝~旅のはじまり~」は、本編の前日譚にあたります。
時系列順に読みたい方ならば、外伝から読むのも良いかも知れません。
私は「ギリシャ物語」本編から先に読みました。
主人公ティリオンの謎に包まれた過去と、この先に待ち受ける怒涛の展開。二重のハラハラドキドキで、のめり込むように読みました。
そして、この外伝。
本編では、うっすらとしかわかっていなかったティリオンの過去が、またしても恐ろしいほどの吸引力で展開してゆくのです。
この二つの物語は、どちらを先に読むかでドキドキポイントがずいぶんと変わってくるような気がします。
私は本編を先に読んで良かったと思っていますが、外伝を先に読んでいたらどんな気持ちになったのだろうか、と、ちょっと興味があります(*´∀`*)
あなたなら、どちらを先に読みますか?
ギリシャ神話を思いながら読み始めたけど、まったく違い、私の浅はかな考えは、1話目でどっかに飛んで行きましたw
でも舞台はギリシャ。世界史が苦手な私は最初大丈夫かと思いましたが、まったく心配ありませんでした!
丁寧に書かれた文章が、その情景を連想させ、キャラ1人1人が際立ち、どんどんと引き込まれていきました。
もう次はどうなるのかハラハラドキドキ。
本編の半年前のお話ということで、終わってみたら、まだ本編があるという嬉しさで終わった作品でしたw
とても面白かったです。ありがとうございました。
がんばってください。応援してます(^o^)
古代ギリシャを舞台に描かれたギリシャ物語。
外伝にあたる今作品は、ギリシャ物語よりも過去を描いた物語です。
ギリシャ物語の主人公ティリオン。美貌の青年がいかにしてスパルタ国へと渡ることになったのか、ギリシャ物語の後編で主人公の口から明かされるのですが、今作品ではよりリアルに描かれています。
ストーリーや構成はさることながら、魅力に溢れる登場人物につい感情移入してしまうことも。それほどキャラたちの掛け合いがとてもたのしく、生き生きとしているのです。
しかし、この物語で描かれているのは楽しい場面ばかりではありません。
本編から外伝に入った方は、とある事件へと近づくにつれて胸が苦しくなりますし、未来がわかっていてもどうにかならなかったのかと、繰言を言ってしまいます。
本編のギリシャ物語でも愛について考えさせられましたが、この外伝ではより深く愛を感じました。
気になった方は本編からでも外伝からでも大丈夫!まずは読んでみませんか?
続きが気になって、気がつけば数ページを読み進めていた。きっと、その意味がわかると思います。