ドラマティックすぎて、辛い

本編の『ギリシャ物語』がものすごく面白かったため、こちらも拝読させて頂きました。

本編から来たということはラストを分かっていて読み始めたわけですが、まだ明かされていない内側のからくりが見事に編み込まれていて、オチを知っているのに先がどうなるのかわからないスリルがありました。むしろオチを知っているので、そこにどうやって到達するんだろうという疑問と緊張感が、初めから終わりまで見事に続きました。

しかも恐ろしいのは、全ての要素が、辛いほどにドラマティックなのです。キャラクターたちは様々な個性を持ちつつも、根底に善良さを持っている人達が殆どです。その人々が、積み重なる運命の悪戯や如何ともし難い当時の社会ルールのために、悲惨な運命になだれ込んでいく様は、見ていて内臓がよじれました(T_T)
次々に連鎖する悲劇も偶然も、実に繊細かつ自然に、そして劇的に物語に織り込まれています。作者様のアイデア、構成力、あらゆる点における手腕に感服するしかありません。

レビューが下手で大変恐縮ですが、要はとても面白いということをお伝えしたいのです。そして色とりどりの登場人物の中には、きっとあなたのお気に入りが見つかるだろうと思います。
(私はニコラオス氏とバシルさんが特にお気に入りです)

拙文失礼いたしました。素敵な物語をありがとうございました!!m(_ _)m

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