くっつきそうで、でも不器用すぎてくっつけない二人を見守る物語

 青臭くて、でもどこかハートフルな恋愛物語が、異世界転生として描かれます。

 なんですが、ちょっとだけ事情が複雑で、作品タイトルにあるように転生してからしばらく前世の記憶を失ったままだったんですね。

 そんな二人ですが、なんの因果か思春期に入ってから同時に前世を思い出します。

 前世の二人は、『くっつきそうで、くっつかないで、それでいて小刻みに衝突する、見ていてもどかしいコンビ』でした。

 その関係性が、前世の記憶と共に復活してしまうわけです。

 ですが、前世の記憶を思い出す前は、仲睦まじい婚約者だったので、周囲の人間たちにもちょっと様子がおかしいなぁと心配されます。

 まさか前世の記憶がよみがえったなんて説明をしたところで信じてもらえるはずもなく、二人は試行錯誤していくことになります。

 人生経験が浅く初々しさの残る男女ですので、恋仲が前進することもあれば、意図しないリアクションで後退することもあります。

 そういうむずがゆいところもふくめて、瑞々しい若さを堪能するのが、この物語の醍醐味でしょう。

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