中学生の爽やかな心情を描いた短編です。
本作はご当地2022にもエントリーしており、鶴岡八幡宮の情景が細かく記されております。
小学校時代の仲間と初詣に行くことになった主人公。
そこに秘められた心情が、登場シーンからも溢れています。
頑張って選んだ服にも意味があり、微笑ましく感じると共に筆者の巧みな演出に感嘆しました。
大混雑の鶴岡八幡宮でおこるハプニング。
それが二人の距離をどんどん縮めていく様が印象的です。
因みに本作は『銀色の鳩』と対になった作品です。
こちらを読むとハプニングに秘められたエピソードも楽しめます。
おじさん世代には失われた清廉さと輝きに溢れた作品。
是非是非
主人公美月は、小学校のときの同級生数人と久しぶりに会って初詣へ行くことに。
星くんを意識して、着ていく服をぎりぎりまで悩んだりする姿がとても初々しく、可愛らしいです。違う中学に通う星くんに会うのが楽しみなのが伝わってきます。
参拝に並ぶ人の列で友達と逸れた星くんと美月ちゃん。そこから2人は少しずつ、お互いを意識しながら距離を縮めていきます。
文章は読みやすく、描写が丁寧ですぐに引き込まれました。
淡い恋心を抱く中学生の純粋な恋愛に、甘酸っぱさと胸きゅんをたくさんいただきました!✧︎*。
「金色の鳩」はもちろん、星くん目線の「銀色の鳩」もおすすめです!
小学校で友だちだったみんなと、鶴岡八幡宮に初詣…。
あらかじめ決めていた服が子どもっぽいと感じて、美月はベージュのロングのスカートで初詣に出かけます。しかし、そのスカートは脚にまとわりつき、歩くのが遅くなった美月は人混みのなかでみんなとはぐれてしまいます。しかも、人が多すぎてLINEもTwitterもつながらない。ピンチ!
しかし、そこから、中学生になった美月のほのかな恋の物語が始まるのです。
最初の、服を選んでいる場面のリアルさ、そして何とはない色っぽさから物語に引き込まれました。そして、物語は、序盤の清新さそのままに終幕へと進んで行きます。
何より、情景も、主人公たちの気もちの描写も、美しさに満ちています。
「あのころの自分」に帰った気もちになれる物語です。お楽しみください。