「姫さま!大変です!問題発生です!」プリンセスに転生させてもらったら、何と魔王の娘!?次々起こる問題を現代の知識と得意なカンフーとお料理でズバッと解決!
第11話 ウワサの赤熊!でかい!こわい!でも、やるっきゃない!
第11話 ウワサの赤熊!でかい!こわい!でも、やるっきゃない!
女の子達を救出した翌日。
残りの野菜と新しく釣ったお魚で簡単なスープを作ってみんなで食べたところ。
我ながらここまでアウトドアスキルが高くなっていたとは、驚き!
まー。例の中国人のオバサンに山籠りとかさせられたからね~。
わたしへの警戒が弱まったのか、中には「美味しい」と言ってくれる娘も出てきた。
ウン、ウン!嬉しいことね!
「姫さま。これからどうなさるおつもりですか?」
「どうって、とりあえずみんなをお城に連れて帰るわよ?」
「畏まりました」
あら、お小言がないのね、以外。
ルナは過去の出来事から人間を嫌ってるからなぁ。自分の気持ちを押さえてわたしの顔を立ててくれてるのかしら?
わたしの見るところ、ルナは結構物怖じせずズケズケ言うタイプだと思うんだけど。
「姫さま」
なぁに?
「すでに察されてると思いますが、私は人間が嫌いです。ですが、同じ女として、今回は種族のしがらみを超え力にならねばと思いました」
「そう」
ちょっぴり嬉しい、わたし。
このルナの一言。
実はこれからのわたしの行動に知らぬ間に影響を与えてたんだけど、この時は、ただ、ただ、嬉しかったなぁ…
「みなさん。これから、みなさんを1度わたしの住むお城に連れて行きます。そこで、もう一度念入りにカラダのケアをします。気持ちが落ち着くまで、いていいからね?」
わたしは、助けた女の子達に自分の意向を説明する。
「姫さま~。ぼくたちは?」
ソルとステラ。2人の子供が心配そうにわたしを見る。
わたしは屈んで2人と目線を合わせる。
「大丈夫よ。2人も1度お城に行くからね」
「ホント?ひまさまと一緒?」
「勿論よ!」
「うわーい!ひまさま、すき~」
2人は無邪気に抱きついてくる。
可愛いなぁ…
様子を見ると、みんな、戸惑いはあるみたいだけど、異論はなさそうね。
そりゃそうか。
魔族のプリンセスが「保護しますよ」とか言っても、なかなか信じてもらえないかもね。
話を聞く限り、魔族の風評被害はなかなかのモノの様だし…
まずは、誠意を持って行動して、風評被害を解消していかないとね!
夜営の片付けを皆で終え、城に戻る準備も終えたその時だった。
グオオオオオオオオオッッ!!
ものすごい大きな咆哮が森に響きました。
わたしと子供たち以外に緊張が走るのがわかった。
「ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバいでぇ!」
デクストラがあわてふためきだす。
助けた女の子達も酷く動揺している。
いつも冷静なルナにもわずかな焦りが見える。
「?何がヤバいの?」
わたしの反応に、同じくらい驚く面々。
「ひ、姫はん?あんさん、天然ですかいな?」
「いや、知らないんだから天然も何もないじゃない」
デクストラはため息をつく。
「いやいや、今のが例のクリムゾンヘルムの咆哮やで!」
「え?そうなの?結構近くない?」
「そや。せやからヤバい、言うてはりまんねん」
わたしは、件のクリムゾンヘルムについて知らない。だから、危機感がない。
「姫さま。この状況は危険です。もし、クリムゾンヘルムに遭遇したら全員無事には逃げ切れませんよ」
あの、ルナを持ってもこの発言。
それくらい、ヤバい魔物なんだ。
ここで、わたしの変な度胸&義侠心MAX
「逃げられないなら、やっつけちゃえばいいよね?」
それを聞いて「は?何言ってるの、コイツ」みたいな顔をする面々。
デスヨネー
「いやいやいやいや!姫はん!状況、分かってまっか?1人で討伐出来るようなタマではないで、アレは!」
「うん。でも、やらなきゃならない!みんなを無事に、帰すために!」
現実を知らないから言えるクソ度胸発言でした。
「わかったわ。止めてもムダやね。姫はん、これ使いや」
デクストラは手のひら大、野球やテニスのボールくらいの大きさの玉を3個、わたしに渡す。
「これは、音と光で相手をビビらすモンや。少しばかりの時間稼ぎにはなるで」
うん!要は閃光玉ね!
「お次はこれや。ヒトでは感知出来ないような臭い成分が詰まった玉や。顔めがけていてこましたれ。動物系の魔物の嗅覚をおかしくすることが出来るで」
なるほど!要は、ニオイ玉ね!こやしじゃなくてよかった…
「後は、これやな」
デクストラは何かの薬品が入った小瓶を3つくれた。
「コイツを飲んでおけば、スタミナや魔力の消耗を押さえることが出来るで。ただ、中毒背が高いから、なるべく飲むのは1だだけにしとき」
うん、なるほど!要は、狂走薬ね!
それを見たルナはため息1つ。
「姫さま、こちらへ。デクストラ。撤収の準備を整えておきなさい」
「わかったで」
ルナはわたしをみんなの目が届かない場所に連れていく。
「姫さま。本来は教えたくなかったのですが、ある強化魔法を教えます。魔族でも1部のものしか使いこなせない高度な魔法です」
おおー!いったいどんな魔法なのかしら?
「姫さま、貴女様の最も疾い業を繰り出してください」
?
なに考えてるんだろう…
よし!
わたしは、ノーモーションから突きを繰り出す。
それを余裕でかわすルナ。
ん??
わたしは、続けて劈掛の業を繰り出す。
スピードには自信、あるわよ?
その全てを、かわすルナ。
何か、してるわね?
「姫さま。今、私が使った強化魔法は、『
そう言い、ルナはわたしにやり方を伝授。
2、3度の練習で出来るようになったわ!
わたし、すごい!!
「お後は、多種多様な状態変化付与魔法のコツを…」
搦め手を得意とするルナは、わたしに様々なバステ付与魔法を伝える。
その時、もう一度、例の熊の咆哮が森に響く。
「来たで!来たで!どないするんや?」
デクストラが伝えに来る。
「じゃあ、わたし、征くよ?」
「はい。止めてもムダでしょう。みなさんのことはわたしとデクストラにお任せを、心配せずに戦いに集中してください」
「わかったわ!じゃね!」
わたしは、熊の咆哮が聞こえた方に駆けていく。
で、でかい…
思った以上に、でかい…
登別のクマ牧場で見たボスヒグマの2倍近いサイズなんですけど…
毛も真っ赤。頭部に何か立派で真っ赤なモヒカンみたいなのがあるんですけど…?
だから、
ええい!
思った以上にでかくて、こわいけど、わたしは護られるだけのお姫様は御免よ!
みんなを護る、お姫様になるんだから!
女は度胸!
女に二言なし!!
ハッキリ言ってメッチャこわい!
でも、やるっきゃない!!!
「おい!
わたしは、早速デクストラから貰った閃光玉とニオイ玉を
命中!
閃光が広がり、何かツーンとする、例えるなら正露丸みたいな臭いが広がる。
わたしを探す
その間に、わたしは魔力を練り上げ、数少ない攻撃魔法の準備をする。
閃光玉の効果が切れて、わたしを捕捉する
「ええい!
わたしは風の魔法で攻撃力する。
クリーンヒット!!
すこし、よろめく熊。
き、効いてない…
ええい!
そもそも、にわか仕込みのこんな魔法で倒せるなんて思ってないから!
タゲを取っただけよ、タゲを!!
わたしは自分を鼓舞する意味で、その場で力強く震脚を踏み鳴らし、構えを取る!
「来いや!!熊公!!あんたなんか熊鍋にしてやるんだからッ!!!」
ルクスリアvs
死闘がはじまる…
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