「姫さま!大変です!問題発生です!」プリンセスに転生させてもらったら、何と魔王の娘!?次々起こる問題を現代の知識と得意なカンフーとお料理でズバッと解決!
杵露ヒロ
第1話 わたし、死にました
わたし、20歳(ハタチ)になったばかりよね?
それが、何?
え?ちょっと、ひっくり返ってるわたしがいるんですけど?
何か、回りの人、チョー慌ててるんですけど?
もしかして、死んだ?
まー、死ぬよね?
納得。ウンウン。
残念なわたしの人生。
高校3年生。
夢砕かれる。
子供の頃から打ち込んできたカンフーで、結果を残した高校の夏が終わり、有名大学からの推薦も貰えそうになった矢先。
当の昔に出奔したアホ親父と兄貴の作った借金が発覚。
その借金、わたしと母が肩代わりをすることに。
夢を捨てたわたしは就職の道へ。
もちろん、就活の傍らバイト。
バイト代だけでは足らないので法律グレーゾーンなパパ活も始める。
むしろ、パパ活の方が稼ぎが良いという始末。Jkブランド、すげー。
そういえば、わたしの処女、高く買って貰ったなぁ…全て借金返済に当てたけど。
素敵なカレシとの初体験、なんて妄想も妄想。
嗚呼、サヨナラわたしの操。
嗚呼、サヨナラわたしの倫理。
高卒。
休まず働く。夜は会社に黙ってガールズバーで働く。
え?何でキャバクラじゃないかって?
わたし、容姿に自信ないし、キャバクラは安定に欠けるし、ガールズバーは法律上は飲食店だから朝まで働けるから。
22時から朝5時までガールズバー。
因みに、飲みっぱなし。もう、テキーラとか、何杯呑まされたか…
未成年だけどね。
仮眠、2時間くらい。
その後仕事。
仕事とガールズバーの収入でも借金返済に足らない。
お母さん、具合悪くする。
最早、四の五の言っていられないので、会社が休みの日は風俗。
アウトゾーン通り越した接客で指名頂き、週1、2での出勤でレアキャラ認定され、指名頂き、稼ぎまくり。
更に、その合間を縫ってパパ活継続。
健康診断では20歳のカラダじゃない!って、お医者さんに怒られたなぁ。
肝臓ボロボロ。
その他臓器もボロボロ。
妊娠は多分1度もしてない。
一応避妊してたし。
安全日にしてたし。
高校生の時から休まずの、800連勤。
そんなわたし、遂に倒れました。
ま、わたしが死ねば保険金入るから少しは役にたつよね?
ごめんね、お母さん…
嗚呼、短い人生、恋もなければ華もない。
カレシもいない。
パパはいっぱいいたけどね。
セックスはうんざりするぐらいした。
ま、お金の為に。だけど。
風俗のお仕事でもしてたわね。
そう。本当は本番NGだけど、バレなきゃいいのよ。バレなきゃ。指名取る方が大事!
会社のお仕事でも、そう。契約取るための枕営業なんて常套手段よね?
100人は余裕でしたんじゃない?
ま、セックスというよりは男達の只の性欲処理マシーンに成り果ててたけどね。
最早、意識のあるダッチワイフ。
愛のあるセックス、したかったなぁ…
気だるげに目を醒ますとカレシの腕枕。
「おはよ♥️昨日はスゴかったね♥️ねぇ、ご飯にする?シャワーにする?そ・れ・と・も…」
とか言ってみたかったわよ!わたしだって!
そういえば、会社で「彼氏と朝まで愛しあっちゃった♥️」的な女子トーク聞くたびにイラついてたなぁ。
あー、そーですか!良いご身分で!
彼氏と朝までラブラブセックスですか?
夜明けの珈琲ですか?
こちとら金のため、金持ちオッサンに朝までサービスよ!コンチクショウ!
朝っぱらから珈琲じゃなくて、くっさい白いの呑まされたわよ!
ぜぇ、ぜぇ、
何で死んでるのに息切らしてるの、わたし。
それはともかく。
多分、死んでるわたしを見下ろしながら気がついたら何もない、白い空間に来ていた。
そこには、女神みたいな女の人が立っていた。
ー嗚呼、貴女、死んでしまうとは情けないー
おひ!
こちとら、死にたくて死んだんぢゃねえ!
まぁ、死んだ方がマシな人生だったけど、ハタチにして、ね。
ーぁ、気にしないでくださぁい。1回言ってみたかっただけなのでぇ~ー
この、クソアマが…人の生き死にをなんだとおもってるのよ!
ーそれはさておき。貴女があまりに不憫だったので、特別処置ですぅ~ー
は?
ー本来、あ~んなコトやこ~んなコトをしてきた貴女は間違いなく姦淫の罪に問われるところですがぁ、良かったですねぇ、情状酌量の処置がとられることになりましたよぉ~ー
ん?それって?
というか、わたしが、理由や事情は兎も角、エッチな悪いことしてきたのバレてるってことなのね(汗)
ーそうですよぉ。でもぉ、確かにやってきたことはダメでなんすがぁ、可哀想なのでぇ、異世界に転生させてあげることになりましたぁー
およ?それって最近流行りのヤツ?
ーさあ、最近流行りかどうかは分かりませんがぁ、、とりあえず決定しましたぁ。転生しないなら貴女はもれなく地獄行き、良くて煉獄ですよぉ?うふふー
わかった!わかったから!転生します!女神さま!転生させてください!
地獄や煉獄と聞いてビビるわたし。
ーおーけーですよぉ。ではぁ、貴女の可哀想さから転生ボーナスですぅ。何かなりたい身分とかありますかぁ?ー
身分かぁ、じゃあ、プリンセス!絶対!
まだ、純真無垢だった頃に見た某世界的有名なアニメに出てくるプリンセスに憧れた日々を思い出し、つい口に出してしまう。
ーはい!給わりました。おやおや?直ぐに転生できるのは、産まれたばかりの個体か、事情があり眠ったきりになっている。貴女に分かりやすく言えば植物状態の個体の2つですねぇ。どっちにしますぅ?ー
また、極端ね。
ちょっぴり考えるわたし。
ん~、直ぐにプリンセスライフを満喫したいから後者!
そう、前者でプリンセスライフを送れる様になるためには数年かはかる。
後者なら途中の成長過程省くから、言い感じよね!
ーはい、では折角ですから、いくつかスキルを継承させてあげますよ?と、言っても継承できそうなスキルは…ー
格闘術、料理
すいませんね、エッチなテクニック以外では、この2つくらいしか自慢できることないのよね(汗)
ーはい♪では、サービスで格闘術とお料理スキルを継承させましたよ~ー
すると、わたしの意識はだんだんと眠るように薄れていく。
あっ、本当に転生するんだ♪
目が覚めたらわたしはプリンセス!
やったね!最初から勝ち組!!
さあ、新しい人生を満喫しないとね!
プリンセスに転生出来るって、ウキウキのわたし。
でも、実はこの後とんでもない事が待ち受けてるなんて、思いもしなかったのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます