冬を越えた先には何がある?


 誰もが一度は考え、そしてどこかで諦めたことのある題材、世界から戦争をなくす方法に関する話。

 大切な人を失い、争いに憎しみを抱く主人公・悠は財力と自身の頭を使って、戦争根絶の方法を導こうとしますが……

 この作品を読んだ際の「やりきれなさ」は何ともです。
 暗い時代、時代の「冬」の象徴として、戦争は必ずあがってきます。
「世界が平和になってほしい?」と尋ねるなら、よほどのことがなければ、誰もが願うでしょう。
 しかし、同時に「それは無理だ」と思う自分もいるし、
 何よりも「実現した後の世界には一体何があるのか?」と疑問を抱いている。

 客観と主観、理想と現実、それらを平易に示した短編ともいえます。

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