あとがき
最後まで『異能者 Different from Others』を読んでいただき、ありがとうございました。
この物語は、モノの記憶を読み取ることができる久我総というちょっと変わった男の物語が書きたくてはじめたものでした。
最初に書いたのは同名の短編小説であり、ただの事件解決ものとして書いていくつもりで連載小説としました。しかし、書いていくうちにだんだん話が膨らんでいって、気がついたら自分でも予期しない方向へ話が進んでいました。
当初の予定では『焔の女』辺りで完結だったんです。連載開始からフォローしてくださっている奇特な方(失礼)はご存じだと思いますが、その辺で一度この小説はエタっています。エターナル、そう終わらない物語となるところでした。しかし、ひょんなことから話の続きが思い浮かび、書いているうちに10万文字を突破。これでようやく長編小説の仲間入りとなりました。
久我総というキャラクターについては、とりあえず変な奴にしたいと思って書いていましたが、途中から何だかまとも(?)になってしまっていたような気もします。身長は190センチ、さらにブーツを履いているから2メートル近い長身でスーツにロングコート。人の記憶を読み取ることができる癖に、人の心は読めない男。それが久我という男です。
あまり久我の容姿には触れてきませんでしたが、読んでくださる方々がそれぞれに久我の容姿を想像していてくれればと思っています。
久我の能力であるモノの記憶である残留思念を読み取るというものですが、どうしても漫画「サイコメトラーEIJI」が出てきてしまいますよね。存在は知っていますが、読んだことはありません。なので類似点などがあるかもしれませんが、そこは目を瞑っていただければと思います。どちらかといえば、この小説は漫画「多重人格探偵サイコ」の影響を大きく受けていると思っています。途中までしか読んでいませんが……。
残留思念を読み取って事件を解決できちゃうスーパーマンの久我ですが、簡単に事件を解決してしまうため、どのように苦難を与えようかと悩みながら書いていました。最初の頃は残留思念を読み取りすぎると頭痛に襲われるという副作用があったはずだったのですが、いつの間にか書くのを忘れていましたね。
それと忘れてはいけないのが、この作品のヒロインでもある姫野桃香という存在です。名前だけ見るとキャピキャピしてそうな感じですが、優秀な刑事さんです。ちなみに姫野という苗字はラグビー日本代表でもある姫野選手から取っています。書いている時にたまたまラグビーの中継がやっていて姫野という名前をいただきました。
久我と姫野のコンビは捜査の面でも優秀であり、お互いの気持ちの部分でもヤキモキさせられますね。久我という人物は変人なので、姫野のことをどう思っているかはよくわかっていません。
そして、話題にものぼらない、もう一人のヒロイン的存在である相馬上級特別捜査官。仕事中の久我への厳しい態度とオフモードになった時の甘えた声。このギャップをネタとして書き続けましたが、需要があるのかどうかもわからなかったですね。まあ、そっとしておきましょう。
本作品では、メシテロ部分も多く書いてきました。喫茶店OZのパンケーキやこだわりのメニュー。そして、久我が食する様々な料理。作者である私はあまり甘党ではないので、パンケーキなどの描写には苦戦しました。でも、OZのシーンがあっての本作だと思っています。
色々と書いてきましたが、異能者という物語はこれでおしまいです。
ただ、久我総が活躍する物語は、短編などでもいくつか書いており、今後も書いていくかもしれません。
なによりも、読んでくださる皆様には感謝してもしきれません。いつも本当にありがとうございます。
また別の作品でお会いできることを楽しみにしています。
2024年3月 作者
異能者 Different from Others 大隅 スミヲ @smee
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