救いの書 ただしヒーリング文体で書かれた

いくつもあるカクヨム入門書でも、長く、心の支えになる書です。
成功を収めている作者が初心者の目線に屈みながら、笑いを交え失敗談を打ち明けてくれます。

落選は本来吐き気を催すほど激痛ですが、なんてことはないんだと思わせてくれるような「ヒーリング文体」は人生で何度も読み返すことになるかも知れません。

自分の志すジャンルが、ネット小説ではカテゴリーエラーかも知れないと知った落胆や。
どれも本来「自分は終わった」と思うほど切実な問題ですが、なんだかんだでギリシャ物語の長編をカクヨムで読ませてしまう環境適応能力は、ただ者ではありません。


それから、星はどうやら「無料」らしいです。
ケチな私は無料でもライバルには渡したくなくて、半年間でたった一人にしか差し上げられなくて孤立無縁になってしまいました。

カクヨムは全方位が味方にもライバルにもなりえ、受験のような公募と違って実体社会に近いです。
そんな一筋縄でいかない世界をいっそ、出版業界の模擬訓練だと思って楽しんでしまいましょう。

筆を折りそうな時。
今のままではいけないとこの書を読み返すなら、もう初心者を脱しつつあるのかも知れません。

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