ガラスの向こうの届かない世界に、私もそっと手を振りたい

Web小説の投稿を始めてみての疑問やトラブル、その実体験が面白おかしく紹介されています。
やっぱり、みんな一度はしくじるよね……と「あるある」に頷きながらするするっと読み進めていけるのですが、作者さまの比喩表現が秀逸すぎて引き込まれました!

その独特で絶妙な、センスありまくりの「喩え」のお陰で、脳内でグワァっとリアルなイメージが広がります。
カクヨムでの活動を通し作者さまが一喜一憂される様子が、3Dでの映像として目の前に浮かび上がってくるかのようです。
(かまぼこ板の卒塔婆~のくだりでフフフッと笑ってしまいました)


その中でも印象深かったのが、「カクヨムコン」の結果が出て落選が分かったときの表現でした。

もう、見事に落ちた――真っ逆さまに、ガラス張りの高層ビルの屋上から一気に落下した、その瞬間にふと垣間見た、煌びやかなオフィス。
きっとそこがプロの編集の方や、受賞作家さんたちのいる場所なのでしょう。
だけど、ほんの一瞬だけ見えたからこそ、鮮やかに目に焼き付いて、なのに自分はその場に留まることが出来ずに落ちていく。

一握りの人しかそこには居られないのだ、と現実を突きつけられた気がしました。
手がかりもなく、触れる事すらかなわない絶望感に、読んでいてきゅっと胸が痛むようでしたが、落ちていく作者さまの一言がポジティブで、ぐわっと胸ぐらを掴まれた気分がしました。

「手を振るくらいは、いいよね」

色々しんどいことも多いけれど、「何かを形にする」ことはやっぱり楽しい。
そんな作者さまの気持ちが伝わってきて、読んでいるこちらも元気を貰えました。

いつか、ビルの外から見たあの素敵な場所へ、作者さまが胸を張って辿り着くことを願ってやみません。
カクヨムでの活動、ひっそりと応援しております!(卍型のポーズで敬礼)

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