SF(すごい不思議)な短編

車でたとえるなら、運転手(読者)を乗せて走り出したと思ったら急加速、勝手にドリフトをキメて、最後は窓から放り出す。そんな予想外が連発する作品でした。結末を推測しながら読んでいましたが、二転三転する物語に翻弄されて、最後はもう「これがSFか……」と。なぜか納得してしまいました。読者によって感じ方が大きく分かれると思いますが、私は終始半笑いで読み進めていました。いい意味で反応に困る作品です。

そして、ちゃんとSFなのも本作の醍醐味。ハードSFとしての側面もありました。もしもこの作品が中編、長編だったなら、さらに奇特なものになっていたかもしれません。SFが好きな方や、刺激的な物語を求める人には刺さること間違いなし。一話と言わず、一気読みしてほしい作品です。少しでも興味を持たれた方は是非どうぞ。