《ファンタジア》で昏睡状態の友人の記憶を辿る。

  • ★★★ Excellent!!!

美しい青春群像劇かと思いきや、濃厚なミステリー、近未来SFとしても楽しめる作品です。
鍵になるのは《ファンタジア》という、昏睡状態にある者の記憶に入り込める機械。友人が昏睡状態に陥った原因を探るため《ファンタジア》で記憶を調べるうち、徐々に謎が明らかとなる───

場面転換もわかりやすく、単調にならないよう丁寧に物語が組み立てられています。《ファンタジア》の概念も非常にわかりやすく、難なく世界観に入り込むことができます。
美しいピアノの旋律が聞こえてくるような、学生編の描写も秀逸。なんてことない日常の風景も、会話も、登場人物の心情が丁寧に描かれているおかげで読者はどんどんお話の中に惹き込まれていきます。
タイトルの優しい嘘、が何なのか気になるところ。楽しみながら最後まで読ませて頂きます。

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