素晴らしい作品でした。

商業作品と比べてもまるで遜色なく、内容単行本２冊分と読みやすく、ここまで完成度が高い作品ならもっと評価されても良いだろうと思える程でした。
主人公リーゼリットはポンコツで健気で、直向きで、弱くて、一人前のオタクです。特に周囲から苦言が呈される程度には、暴走気質で攻略キャラ三人が右往左往させてしまう姿は危なっかしくも愛らしい。

シュジュアはそのままクールな探偵物の主人公そのままやってても良いような男前のイケメンです。時代が時代ならガンガタ探偵だったんじゃないかと。

ターナルは心優しくリーゼリットを見守ってくれる弟分みたいな健気なイケメン。

ラドゥスは二言目には苦言を呈するお母みたいな人。
けど実は弱かったり、三人の中で一番心も弱いという印象は、保護良く掻き立てるイケメンさん。

本筋にあまり関わらない方々も良く精微に描写出来ているのが驚きでした。
あくまでリーゼリットとしての物語として捉えると見事な配分でしょうか。
個人的には一度くらいサロメに出てきて欲しかったけど、まあバイブル内でも描写ないみたいだから仕方ない？

こんな商業誌と同レベルのweb小説があるんだから、驚きです。
多少ジャンルの関係上で、読みにくいと敬遠される方も一度読んでほしい。
女性向けかと思ったら、リーゼリットの謎テンションに振り回されてその内気にならなくなるよ。