この作品は地の文や台詞の配分など、一人称作品としては、かなり三人称寄り。
さらにある程度難読漢字も省いているので読みやすいかと。
主人公のクリスと従業員達、そして勇者結月が彼女を支えます。
バトルシーンも多少ありますが、こっちは本命じゃない為かかなり肩透かし気味。
一方うんちくというか、勇者語録が世界観説明に一役買っており、間違った知識があったりと、クリスに感情移入しやすい構造は見事でしょう。
欠点……というには酷ですが、名無しのモブが大体似たりよったりで、200話近く似たような展開がつづくことかな? もう様式美と言えばそれまでだけど、流石に後半は食傷気味になるかな?
もう一つこっちは致命的な方ですが、相当にこの作品は誤字脱字が多いです。
ただ間違っていてもニュアンスが伝わるなら物語としては読めるので、時々十秒ぐらい解読するのに難解な物もありますが、物語の面白さに加点することにします。
読ませてきます!!!
ライトで読みやすい文体…とは裏腹に、プロットは驚くほどガッツリ作り込まれています
色んな無礼者が次から次へと登場してきてどんどんトラブルに見舞われながら、次第に台風の目へと近づいていく構成が素晴らしい!!
ざまあを期待して読み進めていると、いつの間にか異世界の商品に魅せられてそんな奴らのことはどうでもよくなっています
フェイール商店で扱ってるものは、全部私たちには馴染み深いもののはずなのに、なぜ登場人物たちと同じようにワクワクドキドキしながらクリスティンを待ってしまうのでしょう
彼女を待ちわびている人たちの気持ちにいつの間にかシンクロし、まるで自分も買い物できるかのように「クリスティン早く来て!!」と思ってしまいます笑
おっとりマイペースなヒロインはもちろん、モブにも感情移入できまくる、珍しすぎる作品!
新感覚モブ没入型異世界ファンタジー、オススメです!!!