最高のエンタメ、ここにあり。手に汗握る本格ミステリー!
- ★★★ Excellent!!!
鳩の顔をした赤ずきんという強烈な存在、しかもスレッジハンマーを持ったそれに追いかけられているという絶体絶命のシーンから物語はスタートします。
赤ずきんは誰なのか? どうしたらこの状況を切り抜けられるのか?
追い詰められた主人公・杏奈は過去に手がかりを求め、回想する――
この「現在」を幕間としながら、過去から現在へと迫っていく構成が素晴らしいです!
赤ずきんの正体、八年前の事件、ルビーリングの在処といった複数の謎解きをしながら物語は進んでいくのですが、それらがどう冒頭に繋がっていくのか、目が離せません。過去が現在に近づくほどに、緊迫感や面白さが加速していきます。
謎解きのヒントがたくさん散りばめられているため、読みながら真相について考えられるのも非常に楽しいです。推理しようと意気込まなくても、読み手は自然と思考を巡らせてしまうことと思います。
ジャンルがホラーということで苦手意識を持つ方もいるかもしれませんが、本作は確かにホラーであると同時に、本格ミステリーです!
読了時、「面白かった! 楽しかった!」という満足感と共に、「こんなにも引き込まれる小説を読み終わってしまった!」という喪失感も覚えました。それほど夢中になって読ませていただきました。とってもオススメの小説です!