第6話 想像と現実の違い

「ちなみにここがエンジニアルームです。」

眼を向けると沢山の人間が透明?なpcを叩いている。

ずっとおんなじ作業してて飽きないのかな、、、

「おお!すげえ!」

「すごいすごい!いつか私もこうなりたい!」

そういいはしゃぐ子たち。

、、。

そこは静寂と笑い声が同居していた。

私は眺めていただけだった。



ドンッ


え?

黒いマントをがぶった人物が視界に現れた途端、

果てしなく続く空間が目の前に広がった。

今押されて、、

そんなことを考える余裕もなく下に落ちていく。

あ、無理だ。終わったかも、、、


⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶

いてて、、。

落ちたのになんで死んでない?

あ、そっか、ここは現実じゃないのか。

でもじゃあなんで落ちたんだ、、?

あとあの人物どこかで見たような、、

まあ考えても無駄か。

「まずここがどこかから考えよ」

ヴァーチャル世界の一番下、、?なのか、、?

とても暗くて光が全然見えない。


そして、、

目の前にはいかにも怪しいですよ!!って感じの扉がそびえたっていた。

「古そうだな、なんか。」

押したらあく?それとも呪文とか、、?

ドキドキしながらも押してみる。


キィ、、

と五月蠅い音をたて、ドアは開いた。

「これこの先いってもいいのかな?」

おどおどしつつ好奇心を抑えきれない私がいる。

悪くない。うん。落ちただけだから、、。



⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶


「すみませーん?だれかいませんか?」


まるで独房のような無機質な鉄の廊下の中、小さな声で呼びかける。

といっても帰ってくるのは私の声の反響だけ。

あれ、これって見つかったら終わるのでは?

声だしたら、、

まあ、いっか。


どんどん進んでいく。

すると目の前にすこし明るい部屋が見えた。

ここはなんの部屋だろう?

そう思い近づくとそこには

鉄格子と南京錠がかけられていた。

え、なにこれ、、


「こんにちは。久しぶりね、人を見たのは。」

「こ、こんにちは」

そう反射で返したが頭の中は不思議しかなかった。

「その顔は不思議で仕方ないって顔ね。

お名前は?あ、私は愛理。教会のシスターよ。」

シスター?久しぶりに聞いたな、、。

今は教会なんてないし、、

こういう時答えてはいけないのをわかっていた。

それでも

「わ、私は一番。無の一番です。ここには迷ってきちゃって、、」

そう答えてしまったのはなぜだろうか、、。

「職業体験とか?」

「?」

なんでわかったのだろうか。

「あれまだやってるんだね。

無駄なのに、、」

む、むだ?

「え、今なんて?」

「ん?むだなのになんでやってるんだろって思ってね。だって夢なんてない人もいるし、この世界じゃ、私みたいに職業だけでこんな風になっている人もいるのよ?そんなのおかしくないかしら?」


おかしい。それをほかの人から初めて聞いた。自分と同じように考える人がいたなんて、、

「夢、なんていらないじゃない。無理に作ろうなんてしなくていいわ。

上の人はどうせ従わせたいだけ。

本当の自由じゃないじゃない?こんな風に束縛されることが本当の自由って言えるの?私は違うと思うの。」

その言葉は自分が一番聞きたい言葉だった。一番心に刺さり、考えさせられる言葉。


「あなたは無の一番っていったわよね?

私貴方のこと知ってると思うの。」

「だ、だれから聞いたんですか?」


っていってね。

ここにいた子なのよ。」




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