第6話 想像と現実の違い
「ちなみにここがエンジニアルームです。」
眼を向けると沢山の人間が透明?なpcを叩いている。
ずっとおんなじ作業してて飽きないのかな、、、
「おお!すげえ!」
「すごいすごい!いつか私もこうなりたい!」
そういいはしゃぐ子たち。
、、。
そこは静寂と笑い声が同居していた。
私は眺めていただけだった。
ドンッ
え?
黒いマントをがぶった人物が視界に現れた途端、
果てしなく続く空間が目の前に広がった。
今押されて、、
そんなことを考える余裕もなく下に落ちていく。
あ、無理だ。終わったかも、、、
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いてて、、。
落ちたのになんで死んでない?
あ、そっか、ここは現実じゃないのか。
でもじゃあなんで落ちたんだ、、?
あとあの人物どこかで見たような、、
まあ考えても無駄か。
「まずここがどこかから考えよ」
ヴァーチャル世界の一番下、、?なのか、、?
とても暗くて光が全然見えない。
そして、、
目の前にはいかにも怪しいですよ!!って感じの扉がそびえたっていた。
「古そうだな、なんか。」
押したらあく?それとも呪文とか、、?
ドキドキしながらも押してみる。
キィ、、
と五月蠅い音をたて、ドアは開いた。
「これこの先いってもいいのかな?」
おどおどしつつ好奇心を抑えきれない私がいる。
悪くない。うん。落ちただけだから、、。
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「すみませーん?だれかいませんか?」
まるで独房のような無機質な鉄の廊下の中、小さな声で呼びかける。
といっても帰ってくるのは私の声の反響だけ。
あれ、これって見つかったら終わるのでは?
声だしたら、、
まあ、いっか。
どんどん進んでいく。
すると目の前にすこし明るい部屋が見えた。
ここはなんの部屋だろう?
そう思い近づくとそこには
鉄格子と南京錠がかけられていた。
え、なにこれ、、
「こんにちは。久しぶりね、人を見たのは。」
「こ、こんにちは」
そう反射で返したが頭の中は不思議しかなかった。
「その顔は不思議で仕方ないって顔ね。
お名前は?あ、私は愛理。教会のシスターよ。」
シスター?久しぶりに聞いたな、、。
今は教会なんてないし、、
こういう時答えてはいけないのをわかっていた。
それでも
「わ、私は一番。無の一番です。ここには迷ってきちゃって、、」
そう答えてしまったのはなぜだろうか、、。
「職業体験とか?」
「?」
なんでわかったのだろうか。
「あれまだやってるんだね。
無駄なのに、、」
む、むだ?
「え、今なんて?」
「ん?むだなのになんでやってるんだろって思ってね。だって夢なんてない人もいるし、この世界じゃ、私みたいに職業だけでこんな風になっている人もいるのよ?そんなのおかしくないかしら?」
おかしい。それをほかの人から初めて聞いた。自分と同じように考える人がいたなんて、、
「夢、なんていらないじゃない。無理に作ろうなんてしなくていいわ。
上の人はどうせ従わせたいだけ。
本当の自由じゃないじゃない?こんな風に束縛されることが本当の自由って言えるの?私は違うと思うの。」
その言葉は自分が一番聞きたい言葉だった。一番心に刺さり、考えさせられる言葉。
「あなたは無の一番っていったわよね?
私貴方のこと知ってると思うの。」
「だ、だれから聞いたんですか?」
「奏っていってね。
ここに昔いた子なのよ。」
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