7話 真実
「え、じゃあもしかしてここの部屋は、、」
「ええ、そうよ。ここが特別室。」
と、特別室って、、
「今奏はどこにいるんですか、、?
奏は?」
奏はまだ特別室から帰ってきてない,,,
「いったん落ち着いたらどうかしら?」
「す、すみません。話してくれませんか?」
「いいわよ。」
「え?」
すんなり話そうとしていることに少しばかり不信感を募らせる。
懐かしそうに彼女は微笑みながら、
「なんで?って感じの顔ね。
まあ、、私は奏に昔伝言を頼まれたから。
貴方宛てでね。
まあもう一人の子はいないみたいだけど。
貴方は相当信頼されてたみたいね。あの状態で伝言を私に頼むくらいには。
だから私も信頼するわ。
その理由じゃだめかしら?」
「いいえ。」
その時普通なら疑うべきなのに
勝手にそう言っていた。
この人ならきっと信頼できる。
それよりも奏の伝言って、、、
「奏、あの子は
そう?
そうってもしかしてあの、、、、
「その顔、なにか心あたりがあるようね。」
「エンジニアたちの話によると、奏みたいなダメなこと?をした子を洗脳して自立型aiとして生徒たちの手伝いをさせる、、そんな計画があるみたいね。名前の読みを変えてその名前でしか読まないようにしたりとか、、それはエンジニアたちが全部やっているらしいわ。同じように成長するから便利とか言ってたわ。」
「ここはね、その実験施設なのよ。
だから特別室っていうのよ。ほかとは違うからね。」
、、、
嘘だ。嘘だ。
嘘に違いない。
「落ち着いた?急に話してごめんなさいね。
私も一応洗脳されかけたのよ。でも洗脳しきれなかった。
だからこんなところに一人でいるのよね、、。」
「、、、か、奏は洗脳されていなくなったの?」
やっと絞り出した言葉はそれだった。
わかっているのに、
わかっているのに信じたくなかった。
信じれなかった。
「ええ、最後には私の名前はそうです。ってずっと言ってたわね。まあそういう子たち私は何人も見てきたのよ。もうなんにも思わなくなったわ。悲しいことにね、、。」
「さあ、本題ね。
奏の伝言はね、__」
それを伝え終わった後。
彼女は懐かしそうに悲しそうに多分永遠に晴れることのない灰色の空を見上げていた。
⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶⊶
私が落ちてから一時間後。
すぐさま衛兵?たちが迎えに来て
私はなんかすごい部屋に通された。
めっちゃきれいな装飾。
その部屋にそぐわない恰好をしている私。我ながら笑えてくる。
「まじですみませんっ」
そういいながら入ってきたのは
案内をしていたエンジニアの人だった。
「あの時完全に自分のミスです。
貴方に気づかずに戻ってきてしまった、、。」
あ、知ってる。
この顔は嘘をついている顔だ。
「いえいえ。それよりもすぐさま駆けつけてくださってありがとうございます。どこかわからなかったもので、、。」
すぐさま私も笑顔を取り繕う。
「ところで、、
特別室で、なにかみましたか?」
急に雰囲気が変わる。
空気が重くなり、話にくい。
「な、なにも見てませんけど?なにかあるんですか?」
た、多分これが一番普通の学生の解答。
「いえいえ、なんにもないんです。」
「貴方は夢がないんですよね?
ホントになんにもないんですか?」
「ないです。ごめんなさい。」
「いえいえ、ですが夢は持ってくださいね?
夢はとっても大切なものですから。」
信じて疑わない目。
きっとこの目に沢山の人が吸い付けられたのだろう。
「はい。そうですね。」
「あ、そうだ。それじゃあこんなのはどうでしょう?
貴方の質問になんでも二個答えます」
なんでも、、
だったら、、
「
すみません、知らないですね。
眉一つ動かさない。
「
「いいえ。」
ピクッ。
少しだけど彼の眉が動いた。
私はそう感じた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます