そのアオハルは福音である

眩いほどの光を放つ青春の物語。
そこには生きる原動力が溢れ、時に美しく時に悲しく世界を演出する。

ある少女と一人の少年。そして少年の親友二人の四人を中心に物語は展開する。
文芸調の言葉を重ねた表現により鮮明に描かれた情景が作品を強く心に刻む。
その巧みさでグッと作品世界に惹きこまれる感覚が心地良い。

物語はかなり切ない展開となる。
ハンカチ必携だろう。
だがその先に進みゆく力強さ、清々しさに救われた。
沈みゆく太陽が水平線で美しい色を魅せるようにこのアオハルは主人公にとって福音だったのだろう。

美しい思い出と共に彼女は何を思うのか。

是非是非!!

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