果てしなく重い、正解のない選択。

簡単に良い作品、と言ってしまってはいけないような奥深く重厚なテーマを、柔らかな文章と色鮮やかな描写で書き上げた。そんな作品でした。
良い作品、と簡単に言えないのは、登場人物の想いをそんな一言では片付けられないからです。果てしなく重い正解のない選択を一体どう着地させるんだろうと、ハラハラしながら読み進めました。

最後の3話を読んで、一度海月の命を救った響だからこそできた選択……響にだからこそ、海月が託せた選択だったんだと、すとんと心が着地するのを感じました。
そして、足掻きながらどうにか前へ進む響たちの姿も描いてくれたおかげで、最後のピースが枠に嵌ったような気持ちで読み終えることができました。

ネタバレなしでレビューを書くのは初めてでした。心が大きく動いた作品でした。ありがとうございました。