ラブコメ? ラブコメなのかな? いや最高のラブコメだ!

微笑ましく、随所で笑える、ちょっと? おかしなラブコメディ・ギャグ・ストーリー。

高校2年生、クラスメイトの藤堂くんと桐原さんは育ちも体格も凸凹な二人。
藤堂くんは桐原さんを彼女と思っていない。(周囲は二人が付き合っていると思っている。だってはたから見たら確実にイチャイチャしているもの)
桐原さんは積極的にアプローチしてくる。つまり深夜2時に炒飯を作りにくる。もうすでに意味が分からない。

ところどころ、ラブコメなのか? 一体何を読んでいるのだろうか? とクラクラする。それがどうにもたまらない。

導入が(第1話から)素晴らしいので、ぜひ読んで下さい。(特に『貞々』をお読みの皆さん! に告ぐ!『貞々』に通底する読書体験があなたを待っています!)
第一章まるごと読んでみて下さい。


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以下、第一章終盤について酷いネタバレ(たぶんに私見混じり)をします。ご注意下さい。消す覚悟は有ります。どうしても伝えたい思い。あと、ここからめっちゃ長いです。「?」ばかりでごめんなさい。
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アー・ユー・レディ?


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第一章終盤、物語は急展開を見せます。

桐原さんの住む、団地住宅内の空き地で。
七輪で肉と椎茸を焼きながらという、一見ほのぼのとした場面。
読者にも伏せられていた藤堂くんの本心が明かされます。何という愛憎入り混じったアンビバレンツ! 二律背反した思いよ!
(そんなシーンでも可笑しみがある!)


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学生食堂での場面。
コミカルに描かれているものの、ここは完全な修羅場。恋と友情のせめぎ合いであって、ラブ(恋)とコメディ(笑い)が乖離します。

桐原さんが、雲丹亀さん(桐原さんの親友。伏線的に出ていた恋のライバル。うにちゃん。可愛い苗字。桐原さんが呼ぶならなおさら。藤堂くん、君はまったくもう。)を追いかけ、学校の屋上ドア前での場面。

時折「ヒャア!」と可愛らしく奇声をあげる桐原さんが、回想混じりに親友に告白するシーン。
桐原さんの秘めた心の裡(うち)が明らかとなります。ちょっと? 引くほどの……これ恋ではおさまらない思いじゃん! 愛じゃん! ガチじゃん!


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そして屋上での場面。

なぜか? 決闘3ラウンド。なぜか?(いやそういう性癖だものね。仕方がない)風紀を乱す風紀委員長(ベーちゃん。立てば肉欲 座ればエロス 歩く姿はまじエロス。第三のヒロイン?)まで参戦します。

そして物語は再びラブコメへと着地する。さらに、妙な説得力のある? ハーレムへと続くのです。


凄え!
ラブコメから始まり、ラブコメなのか怪しくなり、完全にラブコメからフライ・アウェイし、それでもラブコメに着地するこの展開、凄え!


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作者がオマージュとして忍ばせているとしても。読者個々に気付いて欲しいというのと、拡散しても良いのかというのは違うよな、と思いつつ最後に一つ、二つ。

これ、ゲーテ版『ファウスト』じゃん!
ファウスト(藤堂くん)とメフィストーフェレス(桐原さん)じゃん!

(『ファウスト』って異世界転生ものじゃん!)


一目惚れ同士ではないのに、互いに惚れたのがほぼ同時、同じ瞬間というのが最高にラブコメしてますね!

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