本当のあとがき

 はい。

 あとがきです(本編をお読み済みであればご承知でしょうが、前章の〝あとがき〟も含めてひとつの作品なのです)。


 「クトゥルー神話で音楽ものをやりたい!」というのが本作のそもそもの発端でした。ただ、バンドものではやりたくはなかったんですね。だって、もうすでに誰か書いていそうじゃないですか。似たようなものを。――売れないインディーズのV系バンドの前にある日、「俺を加入させろ。そうすれば売れる」と謎の美青年が現れて……みたいな。半信半疑で加入させたら、彼の言葉通りに売れはじめて……でも、その裏には邪神の陰謀の影が……みたいな(で、その美青年の正体は当然のようにナイアルラトホテップ。神話界のトリックスターがロックスターになっちゃうというw ね、いかにもすでにありそうでしょ?)。


 何故、ノイズと絡ませたかというと、単純に作者がノイズを好きだからです。インダストリアル・メタルのナイン・インチ・ネイルズやPIGなど昔から好きだったのですが、彼らが影響を受けたのがノイズ/インダストリアル系のミュージシャンたちで、ルーツの深掘りをするうちにフィータスとかSPKとかテストデプトとかその他いろいろ好きになったわけです。都市伝説の方は……何ででしょうね? 今となっては思いだせません。思いついたから、としかいいようがないです。ただ、蘊蓄うんちくというかノイズについていろいろと書けて、作者的には楽しかったです。楽しすぎて読者のことを置いてけぼりにしてしまったのは申し訳なかったですね。これまたすいません。でもまぁ、お陰でユニークなものに仕上がったと思っています。


 実は本作、「咆哮する邪神」(2016)同様、2017年にクトゥルー神話の同人誌用に書いたのですが、何故かその同人誌が発行されないことになり、他に発表の場も無く、長らくPCのフォルダ内に保管されていたものなんですね(2021年に加筆修正しましたが)。この場でようやく陽の目がみれて、作品も喜んでいることでしょう(?)。


 しかし、ノイズ・ミュージックがニッチなら、クトゥルー神話もまたニッチ。ニッチにニッチを重ねてと、いや~、ニッチですね~フォーリーブスですね~ブルドッグですね~はい! ニッチもサッチも、どーにもブルドッグ♪ 

 ワァオ!


 ……おあとがよろしいようで。






――SPK「INFORMATION OVERALOOD UNIT」を聴きながら。








 

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クトゥルーのノイズ 緒方えいと @eightogata

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