めでたきもの4 一撃必殺!通過するだけでも脅威!命中するレールガン発射せよ!



2025年 6月13日



 海上自衛隊試験艦「あすか」が2度目の洋上でのレールガンの発射実験をしました。


 

 そして、そこで驚くべき事をしました。



 まととして走行させていた小型艇にレールガンを命中させたのです!


 

 これは既にネット上でも話題になっていますが、一緒に出港した小型艇が帰って来ない事からレールガンに破壊されたと見て良いと思います。そして、120発の連続発射も成功したようです。



 これにより日本は「爆発させないで破壊する」抑止力よくしりょくを得た事になります。


 

 これは本当にスゴイ事なのです。




 

 前回で私は「レールガンは当たらない」と書きましたが、それは予測不能な飛行をする極超音速滑空弾HGVに対してです。

 しかし敵の艦艇や飛行艇や亜音速の巡航ミサイルなら話は別です。

 それらは日本の優秀なレーダー網で捕捉できるからです。


 そして、それらを破壊するのは爆発しない金属体です。


 しかし、それはマッハ6の速度の金属体なのです。



 物体の速度が上がると破壊力は指数関数的に増大します。

 これは運動エネルギーが速度の2乗に比例する為です。

 マッハ6の速度で飛行する1メートルの金属体の破壊力は巡航ミサイルと比較しても遜色そんしょくはない、と考えられます。



これが「爆発させないで破壊する」です。



 次に「通過するだけでも脅威」について説明します。



 物体の速度が音速を超えると衝撃波・ソニックブームが発生します。

 これは物体が音速を超えて移動すると周囲の空気は圧縮され圧力波のエネルギーを伝搬でんぱんします。私にはマッハ6の速度の衝撃波のエネルギーは判りませんが飛行する物体には、そのエネルギーにって飛行に影響が出る事は充分に考えられます。

 ロシア・ウクライナの戦争では新たな兵器が注目ちゅうもくを集めました。無人ドローンです。そして、これからは無人ドローンが兵器として大量に使用される時代になると思われます。無人で安価なドローンの群れ。「カミカゼ・ドローン」と呼称こしょうされるドローンは体当たりで敵を破壊します。そして、それらは正に群れとして大量に飛来して来ます。



そんなドローンの群れにレールガンを撃ち込んだら、どうなるでしょうか ?



 上記したようにマッハ6で飛行する金属体は衝撃波を発生させます。これを読んでおられる方々の中には実際にドローンを操縦された方もいらっしゃると思いますがドローンは風などに影響されやすく揚力ようりょくを失って墜落する事は良くある事です。

 勿論、軍事用として作られたドローンと私達が入手できるドローンは全くの別物だと思います。しかし、いくら軍事用としてもマッハ6の衝撃波が何の影響も与えないとは考えにくいです。

 命中すれば貫通して破壊されるでしょうし通過するだけでも衝撃波に依ってマトモな飛行は難しくなると思います。これはドローンが密集しているほど効果は大きくなると思われます。これはドローンだけでは無く、戦闘機や輸送機など全ての「空を飛ぶモノ」に言える事だと思います。そして、前回でも解説した「拡散弾頭のレールガン」はドローン部隊には大きな脅威になると思います。



今、現在で1機のレールガンで120発の連続発射が可能なのです。



 レールガンが更に改良されて10数機のレールガンが実戦配備されたら、とてつもない威力を発揮すると思います。弾頭となる金属体と電力さえあれば何発でも撃てるのですから。




最後に「爆発させないで破壊する」のもう1つの側面を書きたいと思います。



 レールガンの弾頭は単なる金属体ですから命中してもミサイルのような爆発はしません。「それじゃあ、敵艦を撃沈できないじゃないか」と思われる方もいらっしゃると思いますが、それこそがレールガンの利点なのです。撃沈させなくても良いのです。要は敵艦が戦闘に参加できなくすれば良いのです。

 つまり敵艦の艦橋かんきょうや通信施設を破壊すれば、それだけで良いのです。現代の戦闘は情報戦です。艦橋やレーダーなどの通信施設を破壊してしまえば敵艦は「自分達が海上の何処どこににいるのか」さえ判らなくなってしまいます。通信施設を破壊すれば味方との通信もできなくなります。

 また、相手が空母なら飛行甲板さえ破壊すれば良いのです。どんなに優れた戦闘機を積載していても飛行甲板が破壊されたら垂直離着陸機しか発進する事が出来ません。飛行甲板の損傷状態次第では、それすらも発進出来ません。

 

  


 上記したように戦闘機能を無くした艦船は戦艦とは言えません。ただの海上に浮かぶ金属のかたまりに過ぎません。そのようなモノは撃沈する意味もありません。

 これまでのミサイルによる爆発破壊では多大な犠牲者を出す事になります。敵国の兵士とは言え私は人の死を望みません。決して! レールガンによる「破壊」は戦争の犠牲者を少なくする事も可能です。



 

 

 


 このようにレールガンの技術革新は強力な「抑止力」と成りえます。




「戦わずして勝つ」と言う孫子の兵法をレールガンは具現化してくれると私は思います。




 レールガンの技術が平和利用される事を切に願います。

 







参考資料



防衛装備庁


日本防衛チャンネル YowTuve


ウイキペディア





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私の異常な妄信 または私は如何にして心配するのを止めてカクヨムを愛するようになったか 北浦十五 @kitaura

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