それは鎧だったんだよ

 誰しもが自分の鎧を持っている、というお話。「ベクトルが違うんだよ!」というセリフの物語る「分かり合えなさ」と、主人公がどうしても「分かりたくなかった」こと。
 誰もが同じ物差しで生きているわけではない。それを赤裸々に描く最後の畳み掛けるような連呼。
 彼女がベクトルの意味をわかっていたとしても。きっと鎧は壊れただろうな。読了してそう思いました。