第313話 報せを受けて
陳宮の病気の連絡は平原まで来ていた曹清にも届く。
「すぐに向かわないと!」
曹清はすぐに旅支度を行うのだが・・・
「曹清様、出立は暫しお待ち下さい。」
「夏侯敬、何故止めるのです!」
「向かうにも護衛となる兵がいないのです。」
現在戦況は有利とはいえ陳宮のいる場所は戦場である、南皮を抜けた先にある、何処に袁家に味方する者がいるかわからない中陳宮の下に向かうにはそれなりの軍が必要になるのだが多くの将兵が出陣している中、手隙の者がいない。
「しかし・・・そうです、お父様から軍を借り受けましょう!」
「それをするなら張遼殿の許可を取る必要があります。」
「何故です!鄴にいる曹操軍から兵を借りるだけです。」
「曹清様、男性との仲を疑われた事をお忘れですか!」
「そ、それは・・・」
「やってくるのが誰かわからない以上、手を借りるのは得策ではありません。」
夏侯敬は話しながらも考え込む、夏侯敬としても陳宮を助けに行きたいのだが現状難しい状況に苛立ちを感じていた。
「そうだ、孫香さんに頼みましょう。」
「孫香様ですか?」
「あの方なら孫家の者達を指揮できます。」
「そうですね、孫香さん付きの兵士もおりますし・・・」
「相談してきます!」
曹清は孫香に相談に走る。
「陳宮様がご病気!!」
「はい、すぐに向かいたいのですが、今将兵がおらずすぐに向かえないのです。」
「わかりました、私もすぐに向かいたいですし協力いたします、誰か太史慈を呼んで!今すぐよ!」
孫香は太史慈を呼び出す。
「姫様お呼びにございますか?」
「至急陳宮様の下に行く必要が出来たわ、動かせる兵はいる?」
「二千ならば。」
「なら準備しなさい。
曹清さん、陳宮さまの下に向かいましょう。」
「ありがとうございます。」
「私としても陳宮様が心配ですから。」
曹清達は急ぎ準備をして陳宮の下に向かうのだった。
陳宮異文伝─汚辱にまみれて生き残る─ カティ @fortune-Katty
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