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概要
血で染まった細い指が見える。爪が剥げたその指は、白い壁を引っ掻いている
物心ついたころから聞こえるキリキリと何かを搔きむしる音。それは他者には聞こえない音だった。
婚礼が決まった頃から音は大きくなり、夢に白い指が現れるようになる。
時を同じくして月が赤く染まり、不吉な婚礼のせいではないかと民人たちの不安が高まっていく。
新婦の父親は十余年前に殺された。今も恨みを募らせて、この婚礼を呪っている――
婚礼が決まった頃から音は大きくなり、夢に白い指が現れるようになる。
時を同じくして月が赤く染まり、不吉な婚礼のせいではないかと民人たちの不安が高まっていく。
新婦の父親は十余年前に殺された。今も恨みを募らせて、この婚礼を呪っている――
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