第8話

 照りつける太陽。アスファルトに滲む汗。歓喜に震える人々の声。

 炎天下の中、それでも彼らは人々に笑顔を届けるためにパフォーマンスを行う。

 それはキャラクターに扮したポーズであったり。

 それは好きなアーティストの真似事であったり。

 多種多様で、多岐にわたるパフォーマンスの数々。


 その中でも、一際ひときわ輝く彼女こそ、である。


 父さんが羽衣に謝った日、高校を卒業するまでの残りの期間はコスプレイヤーとしての活動をとある条件を満たすことで許された。その条件とは、俺を現場に連れて行くことだった。

 未成年の女子高生がひとりでそういった活動をするのは危険だと父さんが言及するので『同盟相手』である俺が警備員を買って出たのだ。もともと羽衣は推しレイヤー様なので俺にとってこの話は一石二鳥なのだ。

 あれから『嘘同盟』はになりつつも今日こんにちまで続いている。この同盟を利用するのもしないのも個人の自由だ。


 ***


「——悠! やばい、例の件、お母さんにバレそう‼」

「はあ⁉ ふざけ倒せよ⁉」


 ここからまた、俺たちの慌ただしい日常どうめいが始まる。

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ライアー×アライアンス KaoLi @t58vxwqk

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