幸せな読後感

こんなに幸せな読後感に浸れる小説を私は他に知らない。

ユラシェお嬢様を幻滅させるために仕組んだはずの8流魔法使いとのデートは、愛らしい彼の個性のために次第にお嬢様を彼に魅力を感じるようにさせてしまう。
知らず知らずのうちに2人は恋に落ちてゆく。しかしそれも一筋縄ではいかず、幾つもの難関を経て、さて2人はどうなっていくのか?
しかもここだけの話、タネを明かせばその8流魔法使いとは、お嬢様は知らないが、実は彼女の初恋の相手が姿を変えた者、さらに明かせば実は彼の正体は、それはそれは恐ろしいドラゴン、いや、これ以上は書くまい。

しっかりと構成された巧みで入り組んだ物語の中に、アクションシーンもあれば、随所に思わず吹き出す笑いが散りばめられていて、個性豊かな登場人物たちが魅力たっぷりの展開をこれでもかと盛り上げる。

そしてこれは隠す必要はあるまい。ハチミツのように甘くて、パンケーキのように味わい豊かで、とろけてしまうような幸せいっぱいのクライマックスが必ずあなたを魅了することだろう。

こんなにステキな読書の機会、逃す手はありませんぞ。

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