王道ながら、やわらかく

歌うことしかできなかった彼は、実は本来の力を封じられていただけだった。本来の力を取り戻し覚醒した主人公のその万能ぶり、まさに昨今の王道と言えるのではないだろうか。
ただ、とにかく言葉選びが柔らかく優しく、そして読みやすい。気付けば読み終えてしまっている、と言えるほどなのである。
主人公も魅力的であるが、取り巻くキャラクターもまた色を添えてくれるのである。味方はもちろんのこと、敵もどうしてだか憎めない。
何度も何度もざまぁな展開を迎えるというのにまた戻ってきて、ついには出番を待つようにまでなってしまった。
そんなどこを切り取っても魅力的な本作、ぜひご一読ください。

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