地獄の空に飛ぶ蝶は

死にたいと繰り返すお嬢さん。長生きがしたいという男。
とにもかくにもこの作品は美しい。
一度目、おそらく掴みどころがないようにも思えるのだろう。どこか明瞭な形があるような、ないような。芯は通っていれども輪郭が掴めない。だというのに心に迫り、刺さり、苦しいほどに美しい。
そして知る。ああこれは、途方もない生と死にある苦痛や素晴らしさが込められているのだと。
二度目を読んで、ようやく掴む。
ぜひとも二度、目を通して欲しい。きっと分かることがある。
ぜひご一読ください。

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