概要
世界がノイズにまみれていく。彼以外のすべてが――
高校生の須藤 咲凪(すどう さな)は、放課後を校舎の屋上で過ごしている。色褪せて見える世界の中で、そこから見る空だけが鮮やかさを感じられるからだ。
ある日、屋上で不思議な雰囲気をもった男子と出会う。遥斗(はると)と名乗った彼だけが空と同じく、はっきりと咲凪の目に映った。
遥斗と過ごす日々を通して、咲凪が求めたものとは――
ある日、屋上で不思議な雰囲気をもった男子と出会う。遥斗(はると)と名乗った彼だけが空と同じく、はっきりと咲凪の目に映った。
遥斗と過ごす日々を通して、咲凪が求めたものとは――
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!偽物のままで、なお生きるか
読後、そう問われているようにも思いました。
気持ちの問題で、世界が曇天に包まれたように見えたり、ノイズのようなものが感ぜられたり、体が鉛のように重くなったりすることはありませんか?
それらすべては精神的なものなのかもしれないけれど、でも、そこまで絶不調になるのならそれは確かに病気だなと思いました。それも死に至るほどの。
主人公は、常に『自分』を認めてほしかった。アイデンティティを求めていた。しかしそれは本人によって塗りたくられて偽物になってしまう。残念なことに、塗るのが上手い人ほどアイデンティティは別人のものになってしまう。
彼女は、特別塗るのが上手く、しかしそれ以上に本質が見えてしまう…続きを読む