はじまりの衝撃

それは読者にとっても衝撃ではあると思いますが。
主人公の不幸から始まり、それは一過性のものではなく彼を長くむしばみ続けます。
そうされた所為でなのか、自己肯定感の低い主人公は、けれど他者の否定には走りません。
精一杯真っ直ぐに立とうとする姿は、けなげで見ているこちらも勇気づけられます。
同じ気持ちになるのか、作中で彼に同行する女性がそんな彼を支えていてくれるのが救い。
こう書いてくると絶望感が滲むかと思いますが、本人たちはそんなことなく、ただ精一杯元気に前向きに生きていこうとしています。
世界観の説明の長さに耐えられれば、彼らの生き様に共感して読み進められるかと思います。

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