永遠の尊い想いは、壮大な叙事詩の幕開けとなる。

 主人公の雨男ぶりは、彼を求める雨神のせいだった。主人公は雨神の導きによって、神の世界に誘われる。そこで二人でい過ごす時間は、主人公にとっても雨神にとっても、かけがえのない時間となっていった。しかし、神の世界でも嫉妬はあった。眉目秀麗にして有能な神である雨神は、位の高い星を司る神に幾度となく伴侶をあてがわれても、断り続けていた。星を司る神が主人公を揶揄うのも無理はない。しかし、主人公と雨神は、ある日ついに契りを結ぶ。ところが、雨神はその契りが他者の意によるものだと見抜いていた。
 さらに、主人公と雨神が共に生きるための儀礼に、思いもよらぬ邪魔者が乱入し、儀礼どころか主人公の身に危機が訪れる。そのことによって、雨神は愛した主人公を——。
 美しき世界にはびこる嫉妬という永遠の汚れ。
 二人を引き裂くように、次々と起こる苦難の数々。
 それでも二人の想いは時も世界も超えていく。

 BLという枠にとらわれない、とても美しく優雅な和風ファンタジーと言っても過言ではありませんでした。雨神の佇まいや、それに徐々に惹かれていく主人公の想いに切なくなります。
 そして何より、意外な展開に次ぐ展開で、初めから終わりまでとっても面白かったです。

 是非、是非、御一読下さい!

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