解説

 エデンの園は長らく神学論争でチグリス=ユーフラテス河の上流に位置するのではないかとされていました。いいや違う。エチオピアをクシュとも呼ぶことから旧約に書かれている「クシュ」とはナイル川の源流の方だという論争が起こりました。しかしそういった特定の場所を指すのではなく宗教改革を行ったルターは「『エデン』とは自然界を指し、『楽園追放』とは人類が自然界から離れて『人間界』を作った話である」とした。

 この論は非常に重要で後の進化論にも影響をあたえ神学上でも科学上でも矛盾を引き起こさずに済んだ。

ただし考古学ではいまだにエデンの園=チグリス=ユーフラテス河の上流説を支持する。自然人類学では旧人類の起源はアフリカだからエデンの園とはアフリカであるとした。これはエチオピア=クシュ説に近い。

 パラダイスという言葉は古代ペルシャ語であるアヴェスター語の「囲われた園」(pairi-daêza-)というペルシャ語から来ておりエデンの園=チグリス=ユーフラテス河説が有力である。


 あなたはどちらを信じるのだろうか?


 どちらでもないという説もありますよ。「人類の複楽園願望というのは胎内回帰願望である」という心理学のアプローチもありますよね。仏教ではこれを最悪の状態としだから輪廻の輪を断ち切るべく無になることを目指すのですが。

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人は自然界という楽園から追放された らんた @lantan2024

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