彼女の存在が僕の日常で、それはとても尊かった。

 主人公の僕は、ネットのアイドル的存在の彼女を推していた。毎日朝昼晩と、まるで人々の生活に寄り添うように配信する彼女には、一つの疑惑があった。彼女は電脳世界で、本当に生きているのではないか? そんな疑惑だ。それだけ、彼女にはリアルさを感じていた。
 ところがある日、彼女の配信が途絶えた。これまで一日も配信を怠らなかった彼女が、一日中姿を見せない。主人公は気落ちして、スマホの電源を切った。しかし、そのスマホから彼女の声が聞こえてきた。戸惑いながらもスマホを見ると、何も映らないはずの画面上に、彼女がいた。そして、彼女は僕にだけ話しかけてきたのだが、そこには彼女が抱える悩みがあった。
 果たして、彼女は何者なのか?

 ネット社会の闇の部分を、彼女を通して垣間見た気がしました。

 是非、御一読下さい。

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