第2話 爆誕?メートヒェン『奇術師』
「ぬ……なんじゃこの光は。妙なことをしおって……まぁよい、この炎をくらえっ!」
さっきとは比べ物にならない程熱く、大きな炎じゃ!ひとたまりも無いじゃろう!
「はぁっ!」
なっ!二人……いや、男に当たる前にあの女が止めおったのか!?
「お主……何者じゃ」
「私は
「って!何これ!」
私は気がついたら黒色のとんがり帽子と黒色のローブを着ていた。
「適合したか……
「え?」
というか、地獄がどうとか言ってるのにドイツ語だし……。
「いいか、お前のタイプは
「な、なるほど……」
理解はできても行動できるか……。
「メートヒェン?なんじゃそれは……。妾たちが封印されておる間に妙なものを作りおって。
しかし、まだ強さがわからぬ以上は直接戦うべきでもない……。
欲望のままに喰らい尽くせ!『小鬼』よ!」
あの鬼がそう言うと、彼女の手のひらの炎が鬼のような形になり、やがて実態を持つ赤い鬼となった。
「精々力を見せてみるんじゃな」
「チッ、逃げられたか。取り敢えず、お前はコイツを倒せ」
「た、倒せって言われても……」
「肉弾戦でも魔法でも何でもいいからさっさとしろ!」
「え、えぇ……!?」
ど、どうすれば……。って、来てるし!
「うわぁ!」
……え。
私は軽く横に避けようとしただけなのに、想像より数メートル先まで来ていた。
「なんか、できる気がしてきたかも!」
「ほっ!とぉ!!」
相手のパンチをジャンプして避けて、顎にサマーソルトキック。
「何回繰り返したら倒れるの、コイツ……」
脳は揺れてるはずなのに、全然ピンピンしてるし……。いや、蹴ったところは少し傷ついてるけど。
「お前は奇術師なんだから、魔法を使えよ」
「あ、そっか」
えっと……コイツは炎から生まれてたから……?
「地獄の冷気よ!かの者を凍てつくせ!」
『
「グォォォ!!」
そう言うと、私の手からブレスのようなものが飛び、相手の体を足から凍らしていく。
「よし、効果バツグンってやつだね!」
そうこうしてる間に、全身が凍っていた。
「……これどうするの?」
「テキトーに蹴ってみれば良いんじゃないか?」
「テキトーだね……えいっ」
バリィィン!!
「あ、普通に壊れた」
小鬼と呼ばれたソイツは、軽く蹴ったら氷の欠片となり、地面に落ちるよりも早くに霧散していった。
「あっ」
霧散したのを確認した瞬間、私の変身が解けた。どういう仕組みなんだろ……気になる!
「ねぇねぇ、これって結局なんなの?ねぇ教えて!」
「うるさいな……俺は説明するのほ嫌いだ。聞くならアイツらに聞け」
「あ、アイツら?」
そう聞くと、男は地面を指差す。
「えっと……地下?」
「いや、地獄」
……どうなっちゃうのぉぉぉ!!!??
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次回へ続く
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