屋上で風に吹かれながら、他者を救いたいと語る、どこか浮世離れした譲葉先輩。思いやりに溢れているのに、自身の事は大切にできない。そんな彼女が尊く、愛おしく、また悲しみさえ覚えさせる。タイトルの「最後に教えてくれたこと」について書かれた部分がそれを増長させ、胸が締め付けられる。世界観、展開、完成度の高い文章、整った構成。全てが素晴らしい傑作です。
本作を一言で語るなら、ただ「美しい」。正直、長々と本作の魅力を語るのは野暮である。騙されたと思ってぜひ読んでみてほしい。必ずや至福の読書体験を得られること間違いなしであるから。
ほの暗いお話ではありますが、情景も感情も、描写がとにかく繊細で美しいです。主人公を傷つけてしまうのも、救うのも、どこまでもお人好しで理想主義な先輩というのがまた良い……。カフェで起こる劇的で、しかし赤の他人には決してわかることのない出会いの一幕。読んだ後、心揺さぶられ、考えさせられる……そんな素晴らしい短編だと思いました!是非、ご一読ください!!
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